6:1 エリコはイスラエルの子らの前に城門を堅く閉ざして、出入りする者はいなかった。

6:2 【主】はヨシュアに告げられた。「見よ、わたしはエリコとその王、勇士たちをあなたの手に渡した。

6:3 あなたがた戦士はみな町の周りを回れ。町の周囲を一周せよ。六日間そのようにせよ。

6:4 七人の祭司たちは七つの雄羊の角笛を手にして、箱の前を進め。七日目には、あなたがたは七回、町の周りを回り、祭司たちは角笛を吹き鳴らせ。

6:5 祭司たちが雄羊の角笛を長く吹き鳴らし、あなたがたがその角笛の音を聞いたら、民はみな大声でときの声をあげよ。そうすれば町の城壁は崩れ落ちる。民はそれぞれ、まっすぐに攻め上れ。」

6:6 ヌンの子ヨシュアは祭司たちに呼びかけた。「契約の箱を担ぎなさい。七人の祭司たちは七つの雄羊の角笛を持ち、【主】の箱の前を進みなさい。」

6:7 そして民に言った。「進んで行き、町の周りを回りなさい。武装した者たちは【主】の箱の前を進みなさい。」

6:8 ヨシュアが民にそう言ったとき、七人の祭司たちは、七つの雄羊の角笛を持って【主】の前を進み、角笛を吹き鳴らした。【主】の契約の箱はそのうしろを進み、

6:9 武装した者たちは、角笛を吹き鳴らす祭司たちの前を行き、しんがりは角笛を吹き鳴らしながら箱のうしろを進んだ。

6:10 ヨシュアは民に命じた。「あなたがたはときの声をあげてはならない。声を聞かせてはならない。口からことばを出してはならない。『ときの声をあげよ』と私が言うその日に、ときの声をあげよ。」

6:11 こうして【主】の箱は町の周りを回り、その周囲を一周した。彼らは宿営に帰り、宿営で夜を過ごした。

6:12 翌朝ヨシュアは早く起き、祭司たちは【主】の箱を担いだ。

6:13 七人の祭司たちは、七つの雄羊の角笛を持って【主】の箱の前を進み、角笛を吹き鳴らした。武装した者たちは、彼らの先頭に立って行き、しんがりは角笛を吹き鳴らしながら【主】の箱のうしろを進んだ。

6:14 彼らは二日目も町の周りを一周回り、宿営に帰った。六日間そのようにした。

6:15 七日目、朝早く夜が明けかかるころ彼らは起き、同じようにして町の周りを七周回った。この日だけは町の周りを七周回った。

6:16 七周目に祭司たちが角笛を吹き鳴らしたとき、ヨシュアは民に言った。「ときの声をあげよ。【主】がこの町をあなたがたに与えてくださったからだ。

6:17 この町とその中にあるすべてのものは【主】のために聖絶せよ。遊女ラハブと、その家にともにいる者たちだけは、みな生かしておけ。彼女は私たちが送った使いたちをかくまってくれたからだ。

6:18 あなたがたは聖絶の物には手を出すな。あなたがた自身が聖絶されないようにするため、すなわち、聖絶の物の一部を取ってイスラエルの宿営を聖絶の物とし、これにわざわいをもたらさないようにするためである。

6:19 ただし、銀や金、および青銅や鉄の器はすべて【主】のために聖別されたものである。それらは【主】の宝物倉に入れよ。」

6:20 民はときの声をあげ、祭司たちは角笛を吹き鳴らした。角笛の音を聞いて民が大声でときの声をあげると、城壁は崩れ落ちた。そこで民はそれぞれ、まっすぐに攻め上り、その町を攻め取り、

6:21 町のものをすべて、男も女も若者も年寄りも、また牛、羊、ろばも剣の刃で聖絶した。

6:22 ところで、ヨシュアはこの地を偵察した二人の男に言った。「あの遊女の家に行き、あなたがたが彼女に誓ったとおり、その女とその女に連なるすべての者を連れ出しなさい。」

6:23 偵察した若者たちは行って、ラハブとその父、母、兄弟、彼女に連なるすべての者を連れ出した。彼女の親族をみな連れ出し、イスラエルの宿営の外にとどめておいた。

6:24 彼らはその町とその中にあるすべてのものを火で焼いた。銀や金、および青銅や鉄の器だけは【主】の家の宝物倉に納めた。

6:25 しかし、遊女ラハブと、その一族と、彼女に連なるすべての者をヨシュアが生かしておいたので、彼女はイスラエルの中に住んで今日に至っている。エリコを偵察させようとしてヨシュアが送った使いたちを、彼女がかくまったからである。

6:26 ヨシュアは、そのとき誓った。「この町エリコの再建を企てる者は【主】の前にのろわれよ。その礎を据える者は長子を失い、その門を建てる者は末の子を失う。」

 

6:27 【主】がヨシュアとともにおられたので、彼のうわさはこの地にあまねく広まった。

7:1 しかし、イスラエルの子らは聖絶の物のことで主の信頼を裏切った。ユダ部族のゼラフの子ザブディの子であるカルミの子アカンが、聖絶の物の一部を取った。それで、【主】の怒りがイスラエルの子らに向かって燃え上がった。

7:2 ヨシュアは部下をエリコからベテルの東、ベテ・アベンの近くにあるアイに遣わし、彼らに言った。「上って行って、あの地を偵察せよ。」部下たちは上って行って、アイを偵察した。

7:3 彼らはヨシュアのもとに帰って来て言った。「民をみな上って行かせるには及びません。二、三千人ぐらいを上らせて、アイを討たせるとよいでしょう。彼らはわずかですから、民をみな送って骨折らせるには及びません。」

7:4 そこで民のうち、およそ三千人がそこに上って行ったが、彼らはアイの人々の前から逃げた。

7:5 アイの人々は彼らの中の三十六人を打ち殺し、彼らを門の前からシェバリムまで追って、下り坂で彼らを討った。民の心は萎え、水のようになった。

7:6 ヨシュアは衣を引き裂き、イスラエルの長老たちとともに、【主】の箱の前で夕方まで地にひれ伏し、自分たちの頭にちりをかぶった。

7:7 ヨシュアは言った。「ああ、【神】、主よ。あなたはどうして、この民にヨルダン川をあえて渡らせ、私たちをアモリ人の手に渡して滅ぼそうとされるのですか。私たちは、ヨルダンの川向こうに居残ることで満足していたのです。

7:8 ああ、主よ。イスラエルが敵の前に背を見せた今となっては、何を申し上げることができるでしょう。

7:9 カナン人やこの地の住民がみな、これを聞いて私たちを攻め囲み、私たちの名を地から断ってしまうでしょう。あなたは、あなたの大いなる御名のために何をなさるのですか。」

7:10 【主】はヨシュアに告げられた。「立て。なぜ、あなたはひれ伏しているのか。

7:11 イスラエルは罪ある者となった。彼らはわたしが命じたわたしの契約を破った。聖絶の物の一部を取り、盗み、欺いて、それを自分のものの中に入れることまでした。

7:12 だから、イスラエルの子らは敵の前に立つことができず、敵の前に背を見せたのだ。彼らが聖絶の者となったからである。あなたがたの中から、その聖絶の物を滅ぼし尽くしてしまわないなら、わたしはもはやあなたがたとともにはいない。

7:13 立て。民を聖別せよ。そしてこう言え。あなたがたは、明日のために自らを聖別しなさい。イスラエルの神、【主】がこう告げられるからだ。『イスラエルよ、あなたの中に聖絶の物がある。あなたがたがその聖絶の物を、あなたがたの中から取り除くまでは、敵の前に立つことができない。

7:14 明日の朝、部族ごとに進み出よ。【主】がくじで取り分ける部族は氏族ごとに進み出、【主】がくじで取り分ける氏族は家族ごとに進み出、【主】がくじで取り分ける家族は男一人ひとり進み出よ。

7:15 聖絶の物のことでくじで取り分けられた者は、彼も彼に属するすべてのものも、火で焼かれなければならない。彼が【主】の契約を破ったからであり、彼がイスラエルの中で恥辱となることをしたからである。』」

7:16 翌朝ヨシュアは早く起き、イスラエルを部族ごとに進み出させた。ユダ部族がくじで取り分けられた。

7:17 ユダの諸氏族を進み出させると、ゼラフ人の氏族がくじで取り分けられた。ゼラフ人の氏族を男一人ひとり進み出させると、ザブディがくじで取り分けられた。

7:18 ザブディの家族を男一人ひとり進み出させると、ユダ部族のゼラフの子ザブディの子カルミの子のアカンが、くじで取り分けられた。

7:19 ヨシュアはアカンに言った。「わが子よ。イスラエルの神、【主】に栄光を帰し、主に告白しなさい。おまえが何をしたのか、私に告げなさい。私に隠してはいけない。」

7:20 アカンはヨシュアに答えた。「確かに、私はイスラエルの神、【主】に対して罪を犯しました。私は次のようなことをしました。

7:21 私は分捕り物の中に、シンアルの美しい外套一着と、銀二百シェケルと、重さ五十シェケルの金の延べ棒一本があるのを見て欲しくなり、それらを取りました。それらは今、私の天幕の中の地面の下に隠してあり、銀もそこにあります。」

7:22 そこでヨシュアは使いたちを送った。彼らは天幕に走って行った。すると、それらはアカンの天幕に隠されていて、銀もその下にあった。

7:23 使いたちはそれらを天幕の中から取り出し、ヨシュアとすべてのイスラエルの子らのところに持って来て、【主】の前に置いた。

7:24 ヨシュアは全イスラエルとともに、ゼラフの子アカンと銀、外套、金の延べ棒、および彼の息子、娘、牛、ろば、羊、天幕、それに彼のすべての所有物を取って、アコルの谷へ運んだ。

7:25 ヨシュアは言った。「なぜ、おまえは私たちにわざわいをもたらしたのか。【主】は今日、おまえにわざわいをもたらされる。」全イスラエルは彼を石で打ち殺し、彼の所有物を火で焼き、それらに石を投げつけた。

 

7:26 人々はアカンの上に石くれの大きな山を積み上げた。今日もそのままである。【主】は燃える怒りを収められた。それで、その場所の名はアコルの谷と呼ばれた。今日もそうである。

8:1 【主】はヨシュアに言われた。「恐れてはならない。おののいてはならない。戦う民をすべて率い、立ってアイに攻め上れ。見よ、わたしはアイの王と、その民、その町、その地をあなたの手に与えた。

8:2 あなたがエリコとその王にしたとおりに、アイとその王にもせよ。その分捕り物と家畜だけは、あなたがたの戦利品としてよい。あなたは町の裏手に伏兵を置け。」

8:3 そこでヨシュアは戦う民すべてとともに、アイに上って行くために立ち上がった。ヨシュアは三万人の勇士を選んで夜のうちに派遣し、

8:4 彼らに命じた。「見よ、あなたがたは町の裏手から町に向かう伏兵だ。町からあまり遠く離れないで、みな身構えていなさい。

8:5 私と、私とともにいる兵はみな町に近づく。アイの人々がこの前と同じように、私たちに立ち向かって出て来たら、私たちは彼らの前から逃げることにする。

8:6 彼らは私たちを追って出て来るので、私たちは彼らを町からおびき出すことになる。彼らは『この前と同じように、われわれの前を逃げて行く』と言うだろうから。私たちは彼らの前で逃げることにする。

8:7 あなたがたは伏せているところから立ち上がり、町を占領せよ。あなたがたの神、【主】がその町をあなたがたの手に渡される。

8:8 その町を攻め取ったら、その町に火を放て。【主】のことばどおりに行うのだ。見よ、私はあなたがたに命じる。」

8:9 ヨシュアは彼らを派遣し、彼らは待ち伏せの場所へ行き、ベテルとアイの間、アイの西側にとどまった。ヨシュアはその夜、兵とともに夜を過ごした。

8:10 翌朝ヨシュアは早く起きて、兵を召集し、イスラエルの長老たちとともに、兵の先頭に立ってアイに上って行った。

8:11 彼とともにいた戦う民はみな、上って行った。彼らは町の前に近づき、アイの北側に陣を敷いた。彼とアイの間には谷があった。

8:12 彼は約五千人を取り、ベテルとアイの間、町の西側に伏兵として配置した。

8:13 兵は町の北側に全陣営を置き、町の西側にはその後陣を置いた。ヨシュアはその夜、谷の中に下って行った。

8:14 アイの王がそのことに気づくと、町の男たち、王とその兵はみな、急いで朝早く起き出し、イスラエルに立ち向かって戦うために、アラバの手前の決めておいた場所に出て来た。しかし、王は町の裏手に伏兵がいることを知らなかった。

8:15 ヨシュアと全イスラエルは彼らの前で打たれるふりをし、荒野への道を逃げた。

8:16 アイにいた兵はみな彼らの後を追うために呼び集められ、ヨシュアを追撃し、町から誘い出された。

8:17 そのため、イスラエルの後を追って出なかった者は、アイとベテルに一人もいなかった。彼らは町を開け放しのまま捨てておいて、イスラエルを追撃した。

8:18 【主】はヨシュアに告げられた。「あなたの手にある投げ槍をアイの方に伸ばせ。わたしがアイをあなたの手に渡すから。」ヨシュアは手にある投げ槍を町の方に伸ばした。

8:19 すると、伏兵はすぐその場所から立ち上がった。ヨシュアが手を伸ばすやいなや彼らは走り、町に入ってそれを攻め取り、ただちに町に火を放った。

8:20 アイの人々はうしろを振り返って見た。すると、町の煙が天に立ち上っていて、彼らには、どちらにも逃げる手立てがなかった。荒野へ逃げていたイスラエルの兵は、追って来た者たちの方に向き直った。

8:21 ヨシュアと全イスラエルは、伏兵が町を攻め取り、町の煙が立ち上るのを見たので、引き返してアイの人々を討った。

8:22 伏兵たちは町から出て来て彼らに向かった。そのため彼らは両側からイスラエルの挟み撃ちにあった。ヨシュアたちは、彼らを打ち殺し、生き残った者も、逃れた者も一人も残されないまでにした。

8:23 しかし、アイの王は生け捕りにして、ヨシュアのもとに連れて来た。

8:24 イスラエルがアイのすべての住民を野で、すなわち彼らが追って来た荒野で殺したとき、アイの住民はみな一人残らず剣の刃に倒れた。全イスラエルはアイに引き返し、町を剣の刃で討った。

8:25 その日、倒れた者は男女合わせて一万二千人、アイのすべての人々であった。

8:26 ヨシュアはアイの住民をことごとく聖絶するまで、投げ槍を差し出した手をもとに戻さなかった。

8:27 イスラエルは【主】がヨシュアに命じられたことばのとおり、その町の家畜と分捕り物だけを自分たちの戦利品とした。

8:28 ヨシュアはアイを焼き、永久に荒れ果てた丘とした。今日もそうである。

8:29 さらに、ヨシュアはアイの王を夕方まで木にかけてさらし、日の入るころ人々に命じた。それで彼らはその死体を木から降ろし、町の門の入り口に投げ捨て、その上に大きな石塚を積み上げた。今日もそうである。

8:30 それからヨシュアはエバル山に、イスラエルの神、【主】のために一つの祭壇を築いた。

8:31 それは、【主】のしもべモーセがイスラエルの子らに命じたとおり、またモーセの律法の書に記されているとおり、鉄の道具を当てない自然のままの石の祭壇であった。彼らはその上で【主】に全焼のささげ物を献げ、交わりのいけにえを献げた。

8:32 ヨシュアはその場所で、モーセがイスラエルの子らの前で書いた律法の写しを、石の上に書いた。

8:33 全イスラエル、その長老たち、つかさたち、さばき人たちは、寄留者もこの地で生まれた者も同様に、【主】の契約の箱を担ぐレビ人の祭司たちの前で、箱のこちら側と向こう側とに分かれ、半分はゲリジム山の前に、もう半分はエバル山の前に立った。それは【主】のしもべモーセが以前命じたように、イスラエルの民を祝福するためであった。

8:34 その後、ヨシュアは、みおしえの書に記されているとおりに、律法のすべてのことばを、祝福ものろいも読み上げた。

 

8:35 モーセが命じたすべてのことばの中で、ヨシュアが、イスラエルの集会全体、および女と子どもたち、および彼らの間で生活する寄留者の前で読み上げなかったことばは、一つもなかった。

9:1 さて、ヨルダン川の西側の山地、シェフェラ、レバノンに至る大海の全沿岸のヒッタイト人、アモリ人、カナン人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人の王たちはみな、これを聞くと、

9:2 ともに集まり、一つになってヨシュアおよびイスラエルと戦おうとした。

9:3 ギブオンの住民たちは、ヨシュアがエリコとアイに対して行ったことを聞くと、

9:4 彼らもまた策略をめぐらし、変装をした。古びた袋と、古びて破れて継ぎ当てをしたぶどう酒の皮袋をろばに負わせ、

9:5 繕った古い履き物を足にはき、古びた上着を身に着けた。彼らの食糧のパンはみな乾いて、ぼろぼろになっていた。

9:6 彼らはギルガルの陣営のヨシュアのところに来て、彼とイスラエルの人々に言った。「私たちは遠い国から参りました。ですから今、私たちと盟約を結んでください。」

9:7 イスラエルの子らはそのヒビ人たちに言った。「おそらく、あなたがたは、私たちのただ中に住んでいるのだろう。どうして私たちがあなたがたと盟約を結べるだろうか。」

9:8 彼らはヨシュアに言った。「私たちは、あなたのしもべです。」ヨシュアは彼らに言った。「あなたがたは何者か。どこから来たのか。」

9:9 彼らは彼に言った。「しもべどもは、あなたの神、【主】の名のゆえにとても遠い国から参りました。主のうわさ、および主がエジプトで行われたすべてのこと、

9:10 主がヨルダンの川向こうのアモリ人の二人の王、ヘシュボンの王シホン、およびアシュタロテにいたバシャンの王オグになさった、すべてのことを聞いたからです。

9:11 私たちの長老や、私たちの国の住民はみな私たちに言いました。『旅のための食糧を手にして彼らに会いに出かけなさい。そして彼らに、「私たちは、あなたがたのしもべです。今、どうか私たちと盟約を結んでください」と言いなさい。』

9:12 これが私たちのパンです。私たちがあなたがたのところに来ようと出た日、それぞれ自分の家で食糧として準備したときには、まだ温かかったのですが、今はご覧のとおり、干からびて、ぼろぼろになってしまいました。

9:13 これがぶどう酒の皮袋です。私たちがこれらを満たしたときには新しかったのですが、ご覧のとおり破れてしまいました。これが私たちの上着と私たちの履き物です。とても長い旅のため古びてしまいました。」

9:14 そこで人々は彼らの食糧の一部を受け取った。しかし、【主】の指示を求めなかった。

9:15 ヨシュアは彼らと和を講じ、彼らを生かしておく盟約を結んだ。会衆の上に立つ族長たちは彼らに誓った。

9:16 彼らと盟約を結んでから三日たったとき、人々は彼らが近くの者たちで、自分たちのただ中に住んでいるということを聞いた。

9:17 そこでイスラエルの子らは出発し、三日目に彼らの町々に着いた。彼らの町々とはギブオン、ケフィラ、ベエロテ、およびキルヤテ・エアリムであった。

9:18 イスラエルの子らは彼らを討たなかった。会衆の上に立つ族長たちがイスラエルの神、【主】にかけて彼らに誓ったからである。しかし、全会衆は族長たちに向かって不平を言った。

9:19 族長たちはみな全会衆に言った。「私たちはイスラエルの神、【主】にかけて彼らに誓った。だから今、私たちは彼らに触れることはできない。

9:20 私たちは彼らにこうしよう。彼らを生かしておこう。そうすれば、私たちが彼らに誓った誓いのために、御怒りが私たちの上に下ることはないだろう。」

9:21 族長たちは全会衆に言った。「彼らを生かしておこう。」彼らは全会衆のために薪を割る者、水を汲む者となった。族長たちが彼らについて言ったとおりである。

9:22 ヨシュアは彼らを呼び寄せて、彼らに言った。「あなたがたは私たちのただ中に住んでいながら、なぜ、『私たちは、あなたがたからとても遠いところの者です』と言って私たちを欺いたのか。

9:23 今、あなたがたはのろわれる。あなたがたの中から、奴隷たち、私の神の家のために薪を割る者と水を汲む者が絶えることはない。」

9:24 彼らはヨシュアに答えた。「しもべどもは、はっきり知らされました。あなたの神、【主】がこの全土をあなたがたに与え、その地の全住民をあなたがたの前から根絶やしにするように、しもべモーセにお命じになったことを。それで私たちは、自分のいのちのことであなたがたを非常に恐れ、このようなことをしたのです。

9:25 ご覧ください。今、私たちはあなたの手の中にあります。あなたのお気に召すように、お目にかなうように私たちを扱ってください。」

9:26 ヨシュアは彼らが言うようにし、彼らをイスラエルの子らの手から救った。それで彼らは殺されなかった。

 

9:27 ヨシュアはその日、彼らを会衆のため、また【主】の祭壇のため、主が選ばれる場所で薪を割る者と水を汲む者とし、今日に至っている。

10:1 エルサレムの王アドニ・ツェデクは、ヨシュアがアイを攻め取って、それを聖絶し、エリコとその王にしたようにアイとその王にもしたこと、またギブオンの住民がイスラエルと和を講じて、彼らのただ中にいることを聞いた。

10:2 彼とその民は非常に恐れた。ギブオンが王国の都の一つのように大きな町であり、またアイよりも大きく、そこの人々がみな勇士だったからである。

10:3 エルサレムの王アドニ・ツェデクはヘブロンの王ホハム、ヤルムテの王ピルアム、ラキシュの王ヤフィア、エグロンの王デビルに人を遣わして言った。

10:4 「私のところに上って来て、私を助けてください。ギブオンを討ちましょう。ギブオンがヨシュア、およびイスラエルの子らと和を講じたからです。」

10:5 それでアモリ人の五人の王、すなわち、エルサレムの王、ヘブロンの王、ヤルムテの王、ラキシュの王、エグロンの王、彼らとその全陣営は集結し、上って行ってギブオンに向かって陣を敷き、戦いを挑んだ。

10:6 ギブオンの人々はヨシュアのところ、ギルガルの陣営に人を遣わして言った。「しもべどもから手を引かないで、急いで私たちのところに上って来て、私たちを救い、助けてください。山地に住むアモリ人の王たちがみな、私たちに向かって集まっているのです。」

10:7 ヨシュアはすべての戦う民たちとすべての勇士たちとともに、ギルガルから上って行った。

10:8 【主】はヨシュアに告げられた。「彼らを恐れてはならない。わたしが彼らをあなたの手に渡したからだ。あなたの前に立ちはだかる者は彼らの中に一人としていない。」

10:9 ヨシュアは夜通しギルガルから上って行って、突然彼らを襲った。

10:10 【主】は彼らをイスラエルの前でかき乱された。イスラエルはギブオンで彼らを激しく討ち、ベテ・ホロンの上り坂を通って彼らを追い、アゼカとマケダに至るまで彼らを討った。

10:11 彼らがイスラエルの前から逃げて、ベテ・ホロンの下り坂にいたとき、【主】が天から彼らの上に、大きな石をアゼカに至るまで降らせられたので、彼らは死んだ。イスラエルの子らが剣で殺した者よりも、雹の石で死んだ者のほうが多かった。

10:12 【主】がアモリ人をイスラエルの子らに渡されたその日、ヨシュアは【主】に語り、イスラエルの見ている前で言った。「太陽よ、ギブオンの上で動くな。月よ、アヤロンの谷で。」

10:13 民がその敵に復讐するまで、太陽は動かず、月はとどまった。これは『ヤシャルの書』に確かに記されている。太陽は天の中間にとどまって、まる一日ほど、急いで沈むことはなかった。

10:14 【主】が人の声を聞き入れられたこのような日は、前にも後にもなかった。【主】がイスラエルのために戦われたからである。

10:15 ヨシュアは全イスラエルとともにギルガルの陣営に戻った。

10:16 これらの五人の王たちは逃げ、マケダの洞穴に隠れた。

10:17 すると、マケダの洞穴に隠れている五人の王たちが見つかったという知らせがヨシュアに入った。

10:18 ヨシュアは言った。「洞穴の口に大きな石を転がし、そのそばに人を置いて彼らを見張りなさい。

10:19 しかし、あなたがたは、そこにとどまってはならない。敵の後を追い、彼らのしんがりを攻撃しなさい。彼らを自分の町に逃げ込ませてはならない。あなたがたの神、【主】が彼らをあなたがたの手に渡されたからだ。」

10:20 ヨシュアとイスラエルの子らが非常に激しく彼らを討ち、ついに彼らが一掃されるまで攻撃し終わったとき、彼らのうちの生き残った者たちは城壁のある町々に逃げ込んだ。

10:21 兵はみな無事にマケダの陣営のヨシュアのもとに戻った。イスラエルの子らをののしる者は一人もいなかった。

10:22 ヨシュアは言った。「洞穴の口を開き、あの五人の王たちを、その洞穴から私のもとに引き出して来なさい。」

10:23 彼らはそのとおりにした。その五人の王たち、すなわち、エルサレムの王、ヘブロンの王、ヤルムテの王、ラキシュの王、エグロンの王を洞穴から彼のもとに引き出して来た。

10:24 彼らがその王たちをヨシュアのもとに引き出したとき、ヨシュアはイスラエルのすべての人を呼び寄せ、自分と一緒に行った戦士の指揮官たちに言った。「近寄って、この王たちの首を踏みつけなさい。」彼らは近寄り、王たちの首を踏みつけた。

10:25 ヨシュアは彼らに言った。「恐れてはならない。おののいてはならない。強くあれ。雄々しくあれ。あなたがたの戦うすべての敵に【主】がこのようにされる。」

10:26 その後、ヨシュアは王たちを討って殺し、五本の木にかけ、夕方まで木にかけておいた。

10:27 日の入るころになって、ヨシュアは命じて彼らを木から降ろし、彼らが隠れていた洞穴の中に投げ込んだ。その洞穴の口には大きな石が置かれ、今日に至っている。

10:28 その日、ヨシュアはマケダを攻め取り、この町とその王を剣の刃で討った。彼らとそこにいたすべての者を聖絶し、一人も残さなかった。彼はエリコの王にしたようにマケダの王にした。

10:29 ヨシュアは全イスラエルとともにマケダからリブナに進み、リブナと戦った。

10:30 【主】は、この町もその王もイスラエルの手に渡された。それで彼は、その町とそこにいたすべての者を剣の刃で討ち、そこに一人も残さなかった。彼はエリコの王にしたようにその王にした。

10:31 ヨシュアは、全イスラエルとともにリブナからラキシュに進み、これに向かって陣を敷き、ラキシュと戦った。

10:32 【主】はラキシュをイスラエルの手に渡された。ヨシュアは二日目にそれを攻め取り、その町と、そこにいたすべての者を剣の刃で討った。すべて彼がリブナにしたとおりであった。

10:33 そのとき、ゲゼルの王ホラムがラキシュを助けようとして上って来た。ヨシュアは、ホラムとその民を一人も残さず討った。

10:34 ヨシュアは、全イスラエルとともにラキシュからエグロンに進んだ。彼らは、それに向かって陣を敷き、それと戦い、

10:35 その日に、エグロンを攻め取り、剣の刃で討った。そしてその日、そこにいたすべての者を聖絶した。すべて彼がラキシュにしたとおりであった。

10:36 ヨシュアは、全イスラエルとともにエグロンからヘブロンに上った。彼らはそれと戦い、

10:37 それを攻め取り、ヘブロンとその王、およびそのすべての町、そこにいたすべての者を剣の刃で討ち、一人も残さなかった。すべて彼がエグロンにしたとおりであった。彼はその町と、そこにいたすべての者を聖絶した。

10:38 ヨシュアは全イスラエルとともにデビルに引き返し、これと戦い、

10:39 それとその王、およびそのすべての町を攻め取り、剣の刃で彼らを討った。そして、そこにいたすべての者を聖絶し、一人も残さなかった。彼がデビルとその王にしたことはヘブロンにしたとおりであり、またリブナとその王にしたとおりであった。

10:40 ヨシュアはその全地、すなわち、山地、ネゲブ、シェフェラ、傾斜地、そのすべての王たちを討ち、一人も残さなかった。息のある者はみな聖絶した。イスラエルの神、【主】が命じられたとおりであった。

10:41 ヨシュアはカデシュ・バルネアからガザまで、および、ゴシェンの全土をギブオンに至るまで討った。

10:42 これらすべての王たちと彼らの地を、ヨシュアは一度に攻め取った。イスラエルの神、【主】がイスラエルのために戦われたからである。

 

10:43 ヨシュアは全イスラエルとともにギルガルの陣営に戻った。