31:1 【主】はモーセに告げられた。

31:2 「あなたは、イスラエルの子らのために、ミディアン人に復讐を果たせ。その後で、あなたは自分の民に加えられる。」

31:3 そこでモーセは民に告げた。「あなたがたのうち、男たちは戦のために武装せよ。ミディアン人を襲って、ミディアン人に【主】の復讐をするためである。

31:4 イスラエルのすべての部族から、部族ごとに千人を戦に送らなければならない。」

31:5 それで、イスラエルの分団から、部族ごとに千人、すなわち、合計一万二千人の、戦のために武装した者たちが選ばれた。

31:6 モーセは部族ごとに千人を戦に送った。また彼らとともに、祭司エルアザルの子ピネハスを、聖なる用具と吹き鳴らすラッパをその手に持たせて、戦に送り出した。

31:7 彼らは【主】がモーセに命じられたとおりに、ミディアン人に戦いを挑み、その男子をすべて殺した。

31:8 その殺された者のほかに、彼らはミディアンの王たち、すなわち、エウィ、レケム、ツル、フル、レバの五人のミディアンの王たちを殺した。また、ベオルの子バラムを剣で殺した。

31:9 イスラエル人は、ミディアン人の女たちと子どもたちを捕らえ、またその動物、家畜、財産をことごとく奪い取り、

31:10 彼らの居住していた町々や陣営をすべて火で焼いた。

31:11 そして人でも動物でも、略奪したものや分捕ったものすべてを取り、

31:12 エリコをのぞむヨルダン川のほとりのモアブの草原の宿営にいる、モーセと祭司エルアザルとイスラエルの会衆のところに、その捕虜や分捕り物、略奪品を携えてやって来た。

31:13 モーセと祭司エルアザル、およびすべての会衆の上に立つ族長たちは出て行って、宿営の外で彼らを迎えた。

31:14 モーセは、軍勢の指揮官たち、すなわち戦いの任務から戻って来た千人の長や百人の長たちに対して激怒した。

31:15 モーセは彼らに言った。「女たちをみな生かしておいたのか。

31:16 よく聞け。この女たちが、バラムの事件の折に、ペオルの事件に関連してイスラエルの子らをそそのかし、【主】を冒?させたのだ。それで主の罰が【主】の会衆の上に下ったのだ。

31:17 今、子どもたちのうちの男子をみな殺せ。男と寝て男を知っている女もみな殺せ。

31:18 男と寝ることを知らない若い娘たちはみな、あなたがたのために生かしておけ。

31:19 あなたがたは七日間、宿営の外にとどまれ。あなたがたでも、あなたがたの捕虜でも、人を殺した者、あるいは刺し殺された者に触れた者はだれでも、三日目と七日目に身の汚れを除かなければならない。

31:20 衣服、皮製品、やぎの毛で作ったもの、木製品はすべて汚れを除かなければならない。」

31:21 祭司エルアザルは、戦いに行った兵士たちに言った。「【主】がモーセに命じられたおしえの掟は次のとおりである。

31:22 ただ、金、銀、青銅、鉄、すず、鉛など、

31:23 すべて火に耐えるものは、火の中を通せば、きよくなる。ただし、それは汚れを除く水で汚れを除かなければならない。火に耐えないものはみな、水の中を通さなければならない。

31:24 また、あなたがたは七日目に自分の衣服を洗うなら、きよくなる。その後で、宿営に入ることができる。」

31:25 【主】はモーセに言われた。

31:26 「あなたと祭司エルアザル、および会衆の氏族のかしらたちは、人でも家畜でも捕らえて分捕ったものの総数を調べ、

31:27 その分捕ったものを、戦に出た者たちと全会衆の間で二分せよ。

31:28 戦に出た戦士たちからは、人、牛、ろば、羊の中からそれぞれ五百のうち一を、【主】への貢ぎとして徴収せよ。

31:29 彼らが受けるその半分の中から取って、【主】への奉納物として祭司エルアザルに渡さなければならない。

31:30 イスラエルの子らが受けるもう半分の中から、人、また牛、ろば、羊、それぞれの家畜から、それぞれ五十のうち一を取り出して、【主】の幕屋の任務に当たるレビ人に与えなければならない。」

31:31 そこでモーセと祭司エルアザルは、【主】がモーセに命じられたとおりに行った。

31:32 従軍した人たちが奪った戦利品を除く分捕り物は、羊六十七万五千匹、

31:33 牛七万二千頭、

31:34 ろば六万一千頭、

31:35 人は、男と寝ることを知らない女が全部で三万二千人であった。

31:36 この半分が戦に出た者たちの分け前で、羊の数は三十三万七千五百匹。

31:37 その羊のうちから【主】への貢ぎは六百七十五匹。

31:38 牛は三万六千頭で、そのうちから【主】への貢ぎは七十二頭。

31:39 ろばは三万五百頭で、そのうちから【主】への貢ぎは六十一頭。

31:40 人は一万六千人で、そのうちから【主】への貢ぎは三十二人であった。

31:41 モーセは、【主】がモーセに命じられたとおりに、その貢ぎ、すなわち、【主】への奉納物を祭司エルアザルに渡した。

31:42 モーセが戦に出た者たちに折半して与えた残り、すなわち、イスラエルの子らのものであるもう半分、

31:43 すなわち会衆のものであるもう半分は、羊三十三万七千五百匹、

31:44 牛三万六千頭、

31:45 ろば三万五百頭、

31:46 人は一万六千人であった。

31:47 モーセは、イスラエルの子らのものであるもう半分から、人も家畜も、それぞれ五十のうち一を取り出して、【主】がモーセに命じられたとおりに、【主】の幕屋の任務に当たるレビ人に与えた。

31:48 すると、軍団の指揮官たち、すなわち千人の長、百人の長たちがモーセのもとに進み出て、

31:49 モーセに言った。「しもべどもは、部下の戦士たちの総数を数えました。私たちのうち一人も欠けていません。

31:50 それで、私たちは、各自が手に入れた金の飾り物、すなわち腕飾り、腕輪、指輪、耳輪、首飾りなどを【主】へのささげ物として持って来ました。【主】の前で私たち自身のための宥めとしたいのです。」

31:51 モーセと祭司エルアザルは、彼らから金を受け取った。それはあらゆる種類の細工を施した物であった。

31:52 千人の長や百人の長たちが【主】に献げた奉納物の金は、全部で一万六千七百五十シェケルであった。

31:53 従軍した人たちは、それぞれ、戦利品を自分のものとした。

 

31:54 モーセと祭司エルアザルは、千人の長や百人の長たちから金を受け取り、それを会見の天幕に持って行き、【主】の前における、イスラエルの子らのための記念とした。

32:1 ルベン族とガド族は、多くの家畜を持っていた。それは、おびただしい数であった。彼らがヤゼルの地とギルアデの地を見ると、その場所は家畜に適した場所であった。

32:2 そこでガド族とルベン族は、モーセと祭司エルアザル、および会衆の上に立つ族長たちのところに来て、次のように言った。

32:3 「アタロテ、ディボン、ヤゼル、ニムラ、ヘシュボン、エルアレ、セバム、ネボ、ベオン、

32:4 【主】がイスラエルの会衆の前で打ち滅ぼされたこれらの地は、家畜に適した地です。そして、しもべどもには家畜がいます。」

32:5 また言った。「もし、私たちの願いがかないますなら、どうか、しもべどもがこの地を所有地として賜りますように。私たちにヨルダン川を渡らせないでください。」

32:6 モーセはガド族とルベン族に答えた。「あなたがたの兄弟たちは戦いに行くのに、あなたがたはここにとどまるというのか。

32:7 どうして、イスラエルの子らの意気をくじいて、【主】が与えてくださった地へ渡らせないようにするのか。

32:8 あなたがたの父たちも、私がカデシュ・バルネアからその地を調べるために遣わしたとき、そのようにふるまった。

32:9 彼らはエシュコルの谷まで上って行って、その地を見たとき、イスラエルの子らの意気をくじいて、【主】が与えてくださった地に入って行かないようにした。

32:10 あの日、【主】は怒りに燃え、誓って言われた。

32:11 『エジプトから上って来た者たちで二十歳以上の者はだれも、わたしがアブラハム、イサク、ヤコブに誓った地を見ることはない。わたしに従い通さなかったからである。

32:12 ただ、ケナズ人エフンネの子カレブと、ヌンの子ヨシュアは別である。彼らが【主】に従い通したからである。』

32:13 事実、【主】の怒りはイスラエルに向かって燃え上がり、主は彼らを四十年の間、荒野をさまよわせ、【主】の目に悪であることを行ったその世代の者たちは、ついに、みな死に絶えた。

32:14 そして今、あなたがたが、罪人の子らとしてあなたがたの父たちに代わって立ち上がり、イスラエルに対する【主】の燃える怒りを増し加えようとしている。

32:15 あなたがたが背いて主に従わないなら、主は再びこの民をこの荒野に見捨てられる。そしてあなたがたは、この民全体に滅びをもたらすことになるのだ。」

32:16 彼らはモーセに近寄って言った。「私たちはここに、家畜のために羊の囲い場を作り、子どもたちのために町々を建てます。

32:17 しかし私たちは、イスラエルの子らを彼らの場所に導き入れるまで、武装して先頭に立って急ぎ進みます。子どもたちは、この地の住民の前で城壁のある町々に住みます。

32:18 私たちは、イスラエルの子らがそれぞれその相続地を受け継ぐまで、自分の家に帰りません。

32:19 ヨルダン川の向こう側では、彼らとともに相続地を持ちません。私たちの相続地は、このヨルダンの川向こう、東の方になります。」

32:20 モーセは彼らに言った。「もしあなたがたがそのことを実行するなら、すなわち、もし【主】の前で戦いのために武装し、

32:21 あなたがたのうちの武装した者がみな【主】の前でヨルダン川を渡り、ついに主がその敵を御前から追い払い、

32:22 その地が【主】の前に征服され、その後であなたがたが帰って来るなら、あなたがたは【主】に対してもイスラエルに対しても責任を解かれる。そして、この地は【主】の前であなたがたの所有地となる。

32:23 しかし、もしそのように行わないなら、そのとき、あなたがたは【主】の前に罪ある者となり、自分たちの身に降りかかる罪の罰を思い知ることになる。

32:24 あなたがたは、自分の子どもたちのために町々を建て、自分の羊のために囲い場を作るがよい。自分の口から出たことを実行しなさい。」

32:25 ガド族とルベン族はモーセに答えた。「しもべどもは、あなたが命じられるとおりにします。

32:26 私たちの子どもたちや妻たち、家畜とすべての動物は、あそこ、ギルアデの町々にとどまります。

32:27 しかし、しもべども、戦のために武装した者はみな、あなたがおっしゃるとおり、渡って行って、【主】の前で戦います。」

32:28 そこで、モーセは彼らについて、祭司エルアザル、ヌンの子ヨシュア、イスラエルの諸部族の一族のかしらたちに命令を下した。

32:29 モーセは彼らに言った。「もし、ガド族とルベン族の、戦いのために武装した者がみな、あなたがたとともにヨルダン川を渡り、【主】の前で戦い、その地があなたがたの前に征服されたなら、あなたがたはギルアデの地を所有地として彼らに与えなさい。

32:30 しかし、もし彼らが武装してあなたがたとともに渡って行かなければ、彼らはカナンの地であなたがたの間に所有地を得なければならない。」

32:31 ガド族とルベン族は答えた。「【主】があなたのしもべたちに語られたことを、私たちは実行いたします。

32:32 私たちは武装して【主】の前にカナンの地に渡って行き、私たちの相続の所有地を、このヨルダンの川向こうとします。」

32:33 そこでモーセは、ガド族と、ルベン族と、ヨセフの子マナセの半部族に、アモリ人の王シホンの王国とバシャンの王オグの王国、すなわち町々がある地と、周辺の地の町々がある領土を与えた。

32:34 そこでガド族は、ディボン、アタロテ、アロエル、

32:35 アテロテ・ショファン、ヤゼル、ヨグボハ、

32:36 ベテ・ニムラ、ベテ・ハランを城壁のある町々として、または羊の囲い場として建て直した。

32:37 また、ルベン族は、ヘシュボン、エルアレ、キルヤタイム、

32:38 および、後に名を改められたネボとバアル・メオン、またシブマを建て直した。彼らは、建て直した町々に新しい名をつけた。

32:39 マナセの子マキルの子らはギルアデに行って、そこを攻め取り、そこにいたアモリ人を追い出した。

32:40 モーセがギルアデをマナセの子マキルに与えたので、彼はそこに住んだ。

32:41 マナセの子ヤイルは行って、彼らの町々を攻め取り、それらをハボテ・ヤイルと名づけた。

 

32:42 ノバフは行って、ケナテとそれに属する村々を攻め取り、自分の名にちなんで、それをノバフと名づけた。

33:1 モーセとアロンの指導のもとに、その軍団ごとにエジプトの地から出て来たイスラエルの子らの旅程は次のとおりである。

33:2 モーセは【主】の命により、彼らの旅程の出発地点を書き記した。その旅程は、出発地点によると次のとおりである。

33:3 彼らは第一の月、その月の十五日に、ラメセスを旅立った。すなわち過越のいけにえの翌日、イスラエルの子らは、全エジプトが見ている前を臆することなく出て行った。

33:4 エジプトは、彼らの間で【主】が打たれたすべての長子を埋葬していた。【主】は彼らの神々にもさばきを下された。

33:5 イスラエルの子らはラメセスを旅立ってスコテに宿営し、

33:6 スコテを旅立って荒野の端にあるエタムに宿営した。

33:7 エタムを旅立ってバアル・ツェフォンの手前にあるピ・ハヒロテの方に向きを変え、ミグドルの前で宿営した。

33:8 ピ・ハヒロテを旅立って海の真ん中を通って荒野に向かい、エタムの荒野を三日路ほど行ってマラに宿営した。

33:9 マラを旅立ってエリムに行き、そこに宿営した。エリムには十二の泉と、七十本のなつめ椰子の木があった。

33:10 それから、彼らはエリムを旅立って葦の海のほとりに宿営し、

33:11 葦の海を旅立ってシンの荒野に宿営した。

33:12 シンの荒野を旅立ってドフカに宿営し、

33:13 ドフカを旅立ってアルシュに宿営し、

33:14 アルシュを旅立ってレフィディムに宿営した。そこには民の飲む水がなかった。

33:15 それから、彼らはレフィディムを旅立ってシナイの荒野に宿営し、

33:16 シナイの荒野を旅立ってキブロテ・ハ・タアワに宿営した。

33:17 キブロテ・ハ・タアワを旅立ってハツェロテに宿営し、

33:18 ハツェロテを旅立ってリテマに宿営した。

33:19 リテマを旅立ってリンモン・ペレツに宿営し、

33:20 リンモン・ペレツを旅立ってリブナに宿営した。

33:21 リブナを旅立ってリサに宿営し、

33:22 リサを旅立ってケヘラタに宿営し、

33:23 ケヘラタを旅立ってシェフェル山に宿営した。

33:24 シェフェル山を旅立ってハラダに宿営し、

33:25 ハラダを旅立ってマクヘロテに宿営した。

33:26 マクヘロテを旅立ってタハテに宿営し、

33:27 タハテを旅立ってテラフに宿営し、

33:28 テラフを旅立ってミテカに宿営した。

33:29 ミテカを旅立ってハシュモナに宿営し、

33:30 ハシュモナを旅立ってモセロテに宿営した。

33:31 モセロテを旅立ってベネ・ヤアカンに宿営し、

33:32 ベネ・ヤアカンを旅立ってホル・ハ・ギデガデに宿営し、

33:33 ホル・ハ・ギデガデを旅立ってヨテバタに宿営し、

33:34 ヨテバタを旅立ってアブロナに宿営し、

33:35 アブロナを旅立ってエツヨン・ゲベルに宿営した。

33:36 エツヨン・ゲベルを旅立ってツィンの荒野、すなわちカデシュに宿営し、

33:37 カデシュを旅立ってエドムの国の端にあるホル山に宿営した。

33:38 祭司アロンは【主】の命によりホル山に登り、そこで死んだ。それは、イスラエルの子らがエジプトの地を出てから四十年目の第五の月の一日であった。

33:39 アロンはホル山で死んだとき、百二十三歳であった。

33:40 カナンの地のネゲブに住んでいたカナン人、アラドの王は、イスラエル人がやって来るのを聞いた。

33:41 それから、彼らはホル山を旅立ってツァルモナに宿営し、

33:42 ツァルモナを旅立ってプノンに宿営し、

33:43 プノンを旅立ってオボテに宿営し、

33:44 オボテを旅立ってモアブの領土のイエ・ハ・アバリムに宿営した。

33:45 イイムを旅立ってディボン・ガドに宿営し、

33:46 ディボン・ガドを旅立ってアルモン・ディブラタイムに宿営した。

33:47 アルモン・ディブラタイムを旅立って、ネボの手前にあるアバリムの山々に宿営し、

33:48 アバリムの山々を旅立って、エリコをのぞむヨルダン川のほとりのモアブの草原に宿営した。

33:49 すなわち、ヨルダン川のほとり、ベテ・ハ・エシモテからアベル・ハ・シティムに至るまでのモアブの草原に、彼らは宿営した。

33:50 エリコをのぞむヨルダン川のほとりのモアブの草原で、【主】はモーセに告げられた。

33:51 「イスラエルの子らに告げよ。あなたがたがヨルダン川を渡ってカナンの地に入るときには、

33:52 その地の住民をことごとくあなたがたの前から追い払って、彼らの石像をすべて粉砕し、彼らの鋳像をすべて粉砕し、彼らの高き所をすべて打ち壊さなければならない。

33:53 あなたがたはその地を自分の所有とし、そこに住め。あなたがたが所有するように、わたしがそれを与えたからである。

33:54 あなたがたは、氏族ごとに、くじを引いて、その地を相続地とせよ。大きい部族には、その相続地を大きくし、小さい部族には、その相続地を小さくしなければならない。くじで当たったその場所が、その部族のものとなる。あなたがたは、自分の父祖の部族ごとに相続地を受けなければならない。

33:55 もしその地の住民をあなたがたの前から追い払わなければ、あなたがたが残しておく者たちは、あなたがたの目のとげとなり、脇腹の茨となり、彼らはあなたがたが住むその土地であなたがたを苦しめる。

 

33:56 そしてわたしは、彼らに対してしようと計画したとおりを、あなたがたに対してすることになる。」

34:1 【主】はモーセに告げられた。

34:2 「イスラエルの子らに命じて彼らに言え。あなたがたがカナンの地に入るときには、あなたがたへのゆずりとなる地、カナンの地とその境界は次のとおりである。

34:3 あなたがたの南側は、エドムに接するツィンの荒野に始まる。南の境界線は、東の方の塩の海の端に始まる。

34:4 その境界線は、アクラビムの坂の南から回ってツィンの方に進み、その終わりはカデシュ・バルネアの南である。またハツァル・アダルを出て、アツモンへと進む。

34:5 さらに境界線は、アツモンから回ってエジプト川に向かい、その終わりは海である。

34:6 あなたがたの西の境界線は、大海とその沿岸である。これをあなたがたの西の境界線としなければならない。

34:7 あなたがたの北の境界線は、次のとおりにしなければならない。大海からホル山まで線を引き、

34:8 さらにホル山からレボ・ハマテまで線を引く。その境界線の終わりはツェダデである。

34:9 そして境界線はジフロンに延び、その終わりはハツァル・エナンである。これがあなたがたの北の境界線である。

34:10 あなたがたの東の境界線としては、ハツァル・エナンからシェファムまで線を引け。

34:11 その境界線は、シェファムからアインの東方のリブラに下り、それから境界線は、そこから下ってキネレテの海の東の傾斜地に達する。

34:12 さらに境界線はヨルダン川を下り、その終わりは塩の海である。以上が境界線によって周囲を区切られた、あなたがたの地である。」

34:13 モーセはイスラエルの子らに命じて言った。「これが、あなたがたがくじを引いて相続地とする地である。【主】がこれを与えよと命じられたのは、九部族と半部族に対してである。

34:14 ルベン部族は一族ごとに、ガド部族も一族ごとに、そしてマナセの半部族も、自分たちの相続地を受け取っているからである。

34:15 この二部族と半部族は、ヨルダン川の、エリコをのぞむ対岸、東の方、日の出る方に、自分たちの相続地を受け取っている。」

34:16 【主】はモーセに告げられた。

34:17 「あなたがたにその地を相続地として受け継がせる者たちの名は、次のとおりである。すなわち、祭司エルアザルとヌンの子ヨシュア。

34:18 あなたがたは、その地を受け継ぐため、それぞれの部族から族長一人ずつを選ばなければならない。

34:19 その人たちの名は次のとおりである。ユダ部族からは、エフンネの子カレブ。

34:20 シメオン部族からは、アミフデの子サムエル。

34:21 ベニヤミン部族からは、キスロンの子エリダデ。

34:22 ダン部族からは、族長として、ヨグリの子ブキ。

34:23 ヨセフの子孫からは、マナセ部族から、族長として、エフォデの子ハニエル、

34:24 またエフライム部族から、族長として、シフタンの子ケムエル。

34:25 ゼブルン部族からは、族長として、パルナクの子エリツァファン。

34:26 イッサカル部族からは、族長として、アザンの子パルティエル。

34:27 アシェル部族からは、族長として、シェロミの子アヒフデ。

34:28 ナフタリ部族からは、族長として、アミフデの子ペダフエル。

 

34:29 これが、カナンの地でイスラエルの子らへの相続地を受け継がせるようにと、【主】が命じた人たちである。」

35:1 エリコをのぞむヨルダン川のほとりのモアブの草原で、【主】はモーセに告げられた。

35:2 「イスラエルの子らに命じ、その所有となる相続地のうちから、居住のための町々をレビ人に与えよ。また、その町々の周りの放牧地はレビ人に与えなければならない。

35:3 その町々は彼らが住むためのものであり、その放牧地は彼らの家畜、群れ、そしてすべての動物のためのものである。

35:4 あなたがたがレビ人に与える町々の放牧地は、町の城壁から外側に向かって周囲一千キュビトである。

35:5 あなたがたは、町の外側に、町を真ん中として東側に二千キュビト、南側に二千キュビト、西側に二千キュビト、北側に二千キュビトを測れ。これが彼らの町々の放牧地となる。

35:6 レビ人に与える町々については、人を殺した者を逃れさせる六つの逃れの町がなければならない。また、このほかに、四十二の町を与えなければならない。

35:7 レビ人に与える町は、全部で四十八の町で、放牧地付きである。

35:8 あなたがたがイスラエルの子らの所有地のうちから与える町々は、大きい部族からは多く、小さい部族からは少なくしなければならない。それぞれ自分が受け継いだ相続地の大きさに応じて、自分の町々の一部をレビ人に与えなければならない。」

35:9 【主】はモーセに告げられた。

35:10 「イスラエルの子らに告げ、彼らに言え。ヨルダン川を渡ってカナンの地に入るとき、

35:11 あなたがたは町々を定めて、自分たちのために逃れの町とし、誤って人を打ち殺してしまった殺人者がそこに逃れることができるようにしなければならない。

35:12 この町々は、復讐する者からあなたがたが逃れる場所となる。殺人者が、さばきのために会衆の前に立たないうちに死ぬことのないようにするためである。

35:13 あなたがたが与えるべき町は六つの逃れの町で、それらは、あなたがたのためのものである。

35:14 このヨルダンの川向こうに三つの町を、カナンの地に三つの町を与えて、逃れの町としなければならない。

35:15 イスラエルの子ら、または彼らの間に在住している寄留者のために、これら六つの町は逃れの場所となる。すべて誤って人を打ち殺してしまった者が、そこに逃れるためである。

35:16 もし鉄の器具で人を打って死なせたなら、その人は殺人者である。その殺人者は必ず殺されなければならない。

35:17 もし、人を殺せるほどの、手に持てる石で人を打って死なせたなら、その人は殺人者である。その殺人者は必ず殺されなければならない。

35:18 あるいは、人を殺せるほどの、片手に持てる木製の器具で人を打って死なせたなら、その人は殺人者である。その殺人者は必ず殺されなければならない。

35:19 血の復讐をする者は、自分でその殺人者を殺してもよい。彼に出くわしたときに、殺してもよい。

35:20 もし、人が憎しみをもって人を突き倒すか、あるいは悪意をもって人に物を投げつけて死なせたなら、

35:21 または、敵意をもって人を手で打って死なせたなら、その打った者は必ず殺されなければならない。その人は殺人者である。その血の復讐をする者がその殺人者に出くわしたときには、彼を殺してもよい。

35:22 もし敵意もなく突然人を突き倒し、あるいは悪意なしに何か物を投げつけ、

35:23 または、人を死なせるほどの石を、よく見ないで人の上に落としてしまい、それによってその人が死んだなら、しかもその人が自分の敵ではなく、害を加えようとしたわけではないなら、

35:24 会衆は、打ち殺した者と、血の復讐をする者との間を、これらの定めに基づいてさばかなければならない。

35:25 会衆は、その殺人者を血の復讐をする者の手から救い出し、彼を、逃げ込んだその逃れの町に帰してやらなければならない。彼は、聖なる油を注がれた大祭司が死ぬまで、そこにいなければならない。

35:26 もしも、その殺人者が、自分が逃げ込んだ逃れの町の境界から出て行き、

35:27 血の復讐をする者がその逃れの町の境界の外で彼を見つけて、その殺人者を殺すことがあっても、その人には血の責任はない。

35:28 その殺人者は、大祭司が死ぬまでは、逃れの町に住んでいなければならないからである。大祭司の死後に、その殺人者は自分の所有地に帰ることができる。

35:29 これらのことは、あなたがたがどこに住んでも、代々守るべき、あなたがたのさばきの掟となる。

35:30 もしだれかが人を打ち殺したなら、証人たちの証言によってその殺人者を殺す。一人の証人の証言だけで、人を死刑にすることがあってはならない。

35:31 あなたがたは、殺人者のいのちのために贖い金を受け取ってはならない。彼は死ぬべき悪しき者なのである。彼は必ず殺されなければならない。

35:32 逃れの町に逃れさせる代わりに贖い金を受け取り、祭司が死ぬ前に、彼を帰らせて国に住むようにさせてはならない。

35:33 あなたがたは、自分たちのいる土地を汚してはならない。血は土地を汚すからである。土地にとって、そこで流された血は、その血を流した者の血以外によって宥められることはない。

 

35:34 あなたがたは、自分たちの住む土地、わたし自身がそのただ中に宿る土地を汚してはならない。【主】であるわたしが、イスラエルの子らのただ中に宿るからである。」

36:1 ヨセフ族の一つの氏族、マナセの子マキルの子ギルアデの氏族に属する一族のかしらたちが進み出て、モーセと、イスラエルの子らの一族のかしらである家長たちの前でこう語った。

36:2 「【主】は、くじによってあの地をイスラエルの子らに相続地として与えるように、あなたに命じられました。そしてまた、私たちの親類ツェロフハデの相続地を彼の娘たちに与えるように、あなたは【主】によって命じられています。

36:3 もし彼女たちが、イスラエルの子らのうちのほかの部族の息子に嫁いだなら、彼女たちの相続地は、私たちの先祖の相続地から差し引かれて、彼女たちが嫁ぐ部族の相続地に加えられるでしょう。その結果、私たちが相続する割り当て地は減ることになります。

36:4 イスラエルの子らにヨベルの年が来れば、彼女たちの相続地は、彼女たちが嫁ぐ部族の相続地に加えられ、彼女たちの相続地は、私たちの先祖の部族の相続地から取り去られることになります。」

36:5 そこでモーセは、【主】の命により、イスラエルの子らに命じた。「ヨセフ部族の訴えはもっともである。

36:6 【主】がツェロフハデの娘たちについて命じられたことは次のとおりである。『彼女たちは、自分が良いと思う人に嫁いでよい。ただし、彼女たちの父の部族に属する氏族に嫁がなければならない。

36:7 イスラエルの子らの相続地は、部族から部族に移してはならない。イスラエルの子らは、それぞれその父祖の部族の相続地を堅く守らなければならないからである。

36:8 イスラエルの子らの部族のうち、相続地を受け継ぐ娘はみな、その父の部族に属する氏族の一人に嫁がなければならない。イスラエルの子らが、それぞれ、その父祖の相続地を受け継ぐようにするためである。

36:9 このように、相続地は、部族からほかの部族に移してはならない。イスラエルの子らの部族は、それぞれ、自分たちの相続地を堅く守らなければならないからである。』」

36:10 ツェロフハデの娘たちは、【主】がモーセに命じられたとおりに行った。

36:11 ツェロフハデの娘たち、マフラ、ティルツァ、ホグラ、ミルカおよびノアは、おじの息子たちに嫁いだ。

36:12 彼女たちは、ヨセフの子マナセの子孫の氏族に嫁いだので、彼女たちの相続地は、彼女たちの父の氏族の部族に残った。

 

36:13 これらは、エリコをのぞむヨルダン川のほとりのモアブの草原で、【主】がモーセを通してイスラエルの子らに命じられた命令と定めである。