21:1 【主】は約束したとおりに、サラを顧みられた。【主】は告げたとおりに、サラのために行われた。

21:2 サラは身ごもり、神がアブラハムに告げられたその時期に、年老いたアブラハムに男の子を産んだ。

21:3 アブラハムは、自分に生まれた子、サラが自分に産んだ子をイサクと名づけた。

21:4 そしてアブラハムは、神が命じられたとおり、生後八日になった自分の子イサクに割礼を施した。

21:5 アブラハムは、その子イサクが彼に生まれたとき、百歳であった。

21:6 サラは言った。「神は私に笑いを下さいました。これを聞く人もみな、私のことで笑うでしょう。」

21:7 また、彼女は言った。「だれがアブラハムに、『サラが子に乳を飲ませる』と告げたでしょう。ところが私は、主人が年老いてから子を産んだのです。」

21:8 その子は育って乳離れした。アブラハムはイサクの乳離れの日に、盛大な宴会を催した。

21:9 サラは、エジプトの女ハガルがアブラハムに産んだ子が、イサクをからかっているのを見た。

21:10 それで、アブラハムに言った。「この女奴隷とその子を追い出してください。この女奴隷の子は、私の子イサクとともに跡取りになるべきではないのですから。」

21:11 このことで、アブラハムは非常に苦しんだ。それが自分の子に関わることだったからである。

21:12 神はアブラハムに仰せられた。「その少年とあなたの女奴隷のことで苦しんではならない。サラがあなたに言うことはみな、言うとおりに聞き入れなさい。というのは、イサクにあって、あなたの子孫が起こされるからだ。

21:13 しかし、あの女奴隷の子も、わたしは一つの国民とする。彼も、あなたの子孫なのだから。」

21:14 翌朝早く、アブラハムは、パンと、水の皮袋を取ってハガルに与え、彼女の肩に担がせ、その子とともに彼女を送り出した。それで彼女は行って、ベエル・シェバの荒野をさまよった。

21:15 皮袋の水が尽きると、彼女はその子を一本の灌木の下に放り出し、

21:16 自分は、弓で届くぐらい離れた向こうに行って座った。「あの子が死ぬのを見たくない」と思ったからである。彼女は向こうに座り、声をあげて泣いた。

21:17 神は少年の声を聞かれ、神の使いは天からハガルを呼んで言った。「ハガルよ、どうしたのか。恐れてはいけない。神が、あそこにいる少年の声を聞かれたからだ。

21:18 立って、あの少年を起こし、あなたの腕でしっかり抱きなさい。わたしは、あの子を大いなる国民とする。」

21:19 神がハガルの目を開かれたので、彼女は井戸を見つけた。それで、行って皮袋を水で満たし、少年に飲ませた。

21:20 神が少年とともにおられたので、彼は成長し、荒野に住んで、弓を射る者となった。

21:21 彼はパランの荒野に住んだ。彼の母は、エジプトの地から彼のために妻を迎えた。

21:22 そのころ、アビメレクとその軍の長ピコルがアブラハムに言った。「あなたが何をしても、神はあなたとともにおられます。

21:23 それで今、ここで神によって私に誓ってください。私と私の子孫を裏切らないと。そして、私があなたに示した誠意にふさわしく、私にも、またあなたが寄留しているこの土地に対しても、誠意を示してください。」

21:24 アブラハムは「私は誓います」と言った。

21:25 それから、アブラハムは、アビメレクのしもべたちが奪い取った井戸のことで、アビメレクに抗議した。

21:26 アビメレクは答えた。「だれがそのようなことをしたのか知りませんでした。それに、あなたも私に告げなかったし、私も今日まで聞いたことがありませんでした。」

21:27 そこでアブラハムは羊と牛を取って、アビメレクに与えた。こうして二人は契約を結んだ。

21:28 アブラハムは、羊の群れから、七匹の雌の子羊を別にしておいた。

21:29 アビメレクはアブラハムに言った。「今、あなたが別にしたこの七匹の雌の子羊は、何のためのものですか。」

21:30 アブラハムは言った。「私がこの井戸を掘ったという証拠になるように、七匹の雌の子羊を私の手から受け取ってください。」

21:31 それゆえ、その場所はベエル・シェバと呼ばれた。彼ら二人がそこで誓ったからである。

21:32 彼らはベエル・シェバで契約を結んだ。アビメレクと、その軍の長ピコルは立って、ペリシテ人の地に帰って行った。

21:33 アブラハムはベエル・シェバに一本のタマリスクの木を植え、そこで永遠の神、【主】の御名を呼び求めた。

 

21:34 アブラハムは長い間、ペリシテ人の地に寄留した。

22:1 これらの出来事の後、神がアブラハムを試練にあわせられた。神が彼に「アブラハムよ」と呼びかけられると、彼は「はい、ここにおります」と答えた。

22:2 神は仰せられた。「あなたの子、あなたが愛しているひとり子イサクを連れて、モリヤの地に行きなさい。そして、わたしがあなたに告げる一つの山の上で、彼を全焼のささげ物として献げなさい。」

22:3 翌朝早く、アブラハムはろばに鞍をつけ、二人の若い者と一緒に息子イサクを連れて行った。アブラハムは全焼のささげ物のための薪を割った。こうして彼は、神がお告げになった場所へ向かって行った。

22:4 三日目に、アブラハムが目を上げると、遠くの方にその場所が見えた。

22:5 それで、アブラハムは若い者たちに、「おまえたちは、ろばと一緒に、ここに残っていなさい。私と息子はあそこに行き、礼拝をして、おまえたちのところに戻って来る」と言った。

22:6 アブラハムは全焼のささげ物のための薪を取り、それを息子イサクに背負わせ、火と刃物を手に取った。二人は一緒に進んで行った。

22:7 イサクは父アブラハムに話しかけて言った。「お父さん。」彼は「何だ。わが子よ」と答えた。イサクは尋ねた。「火と薪はありますが、全焼のささげ物にする羊は、どこにいるのですか。」

22:8 アブラハムは答えた。「わが子よ、神ご自身が、全焼のささげ物の羊を備えてくださるのだ。」こうして二人は一緒に進んで行った。

22:9 神がアブラハムにお告げになった場所に彼らが着いたとき、アブラハムは、そこに祭壇を築いて薪を並べた。そして息子イサクを縛り、彼を祭壇の上の薪の上に載せた。

22:10 アブラハムは手を伸ばして刃物を取り、息子を屠ろうとした。

22:11 そのとき、【主】の使いが天から彼に呼びかけられた。「アブラハム、アブラハム。」彼は答えた。「はい、ここにおります。」

22:12 御使いは言われた。「その子に手を下してはならない。その子に何もしてはならない。今わたしは、あなたが神を恐れていることがよく分かった。あなたは、自分の子、自分のひとり子さえ惜しむことがなかった。」

22:13 アブラハムが目を上げて見ると、見よ、一匹の雄羊が角を藪に引っかけていた。アブラハムは行って、その雄羊を取り、それを自分の息子の代わりに、全焼のささげ物として献げた。

22:14 アブラハムは、その場所の名をアドナイ・イルエと呼んだ。今日も、「【主】の山には備えがある」と言われている。

22:15 【主】の使いは再び天からアブラハムを呼んで、

22:16 こう言われた。「わたしは自分にかけて誓う──【主】のことば──。あなたがこれを行い、自分の子、自分のひとり子を惜しまなかったので、

22:17 確かにわたしは、あなたを大いに祝福し、あなたの子孫を、空の星、海辺の砂のように大いに増やす。あなたの子孫は敵の門を勝ち取る。

22:18 あなたの子孫によって、地のすべての国々は祝福を受けるようになる。あなたが、わたしの声に聞き従ったからである。」

22:19 アブラハムは若い者たちのところに戻った。彼らは立って、一緒にベエル・シェバに行った。こうしてアブラハムはベエル・シェバに住んだ。

22:20 これらの出来事の後、アブラハムに次のことが伝えられた。「ミルカもまた、あなたの兄弟ナホルに子を産みました。

22:21 長男ウツ、その弟ブズ、アラムの父ケムエル、

22:22 ケセデ、ハゾ、ピルダシュ、イデラフ、それにベトエルです。」

22:23 このベトエルはリベカを生んだ。ミルカはこれら八人を、アブラハムの兄弟ナホルに産んだのである。

 

22:24 レウマというナホルの側女もまた、テバフ、ガハム、タハシュ、マアカを産んだ。

23:1 サラの生涯、サラが生きた年数は百二十七年であった。

23:2 サラはカナンの地のキルヤテ・アルバ、すなわちヘブロンで死んだ。アブラハムは来て、サラのために悼み悲しみ、泣いた。

23:3 アブラハムは、その亡き人のそばから立ち上がり、ヒッタイト人たちに話した。

23:4 「私は、あなたがたのところに在住している寄留者ですが、あなたがたのところで私有の墓地を私に譲っていただきたい。そうすれば、死んだ者を私のところから移して、葬ることができます。」

23:5 ヒッタイト人たちはアブラハムに答えた。

23:6 「ご主人、私たちの言うことをお聞き入れください。あなたは、私たちの間にあって神のつかさです。私たちの最上の墓地に、亡くなった方を葬ってください。私たちの中にはだれ一人、亡くなった方を葬る墓地をあなたに差し出さない者はおりません。」

23:7 そこで、アブラハムは立って、その土地の人々、ヒッタイト人に礼をして、

23:8 彼らに告げた。「死んだ者を私のところから移して葬ることが、あなたがたの心にかなうのであれば、私の言うことをお聞き入れくださり、ツォハルの子エフロンに頼んでいただきたいのです。

23:9 彼の畑地の端にある、彼の所有のマクペラの洞穴を譲っていただけるようにです。十分な価の銀と引き換えに、あなたがたの間での私の所有の墓地として、譲っていただけるようにしてください。」

23:10 エフロンはヒッタイト人たちの間に座っていた。ヒッタイト人のエフロンは、その町の門に入るヒッタイト人たち全員が聞いているところで、アブラハムに答えた。

23:11 「いいえ、ご主人。どうか、私の言うことをお聞き入れください。あの畑地をあなたに差し上げます。そこにある洞穴も差し上げます。私の民の者たちの前で、それをあなたに差し上げます。亡くなった方を葬ってください。」

23:12 アブラハムは、その土地の人々に礼をし、

23:13 その土地の人々の聞いているところで、エフロンに告げた。「もしあなたが許してくださるなら、私の言うことをお聞き入れください。畑地の価の銀をお支払いします。どうか私から受け取ってください。そうすれば、死んだ者をそこに葬ることができます。」

23:14 エフロンはアブラハムに答えた。

23:15 「では、ご主人、私の言うことをお聞き入れください。銀四百シェケルの土地、それなら、私とあなたの間では、何ほどのこともないでしょう。どうぞ、亡くなった方を葬ってください。」

23:16 アブラハムはエフロンの申し出を聞き入れた。アブラハムはエフロンに、彼がヒッタイト人たちの聞いているところでつけた価の銀を支払った。それは商人の間で通用する銀四百シェケルであった。

23:17 こうして、マムレに面するマクペラにあるエフロンの畑地、すなわち、その畑と、畑地にある洞穴と、畑地の周りの境界線内にあるすべての木は、

23:18 その町の門に入るすべてのヒッタイト人たちの目の前で、アブラハムの所有となった。

23:19 その後アブラハムは、マムレに面するマクペラの畑地の洞穴に、妻サラを葬った。マムレはヘブロンにあり、カナンの地にある。

 

23:20 こうして、この畑地とその中にある洞穴は、ヒッタイト人たちの手から離れて、私有の墓地としてアブラハムの所有となった。

24:1 アブラハムは年を重ねて、老人になっていた。【主】は、あらゆる面でアブラハムを祝福しておられた。

24:2 アブラハムは、自分の全財産を管理している、家の最年長のしもべに、こう言った。「あなたの手を私のももの下に入れてくれ。

24:3 私はあなたに、天の神、地の神である【主】にかけて誓わせる。私はカナン人の間に住んではいるが、あなたは、その娘たちの中から、私の息子の妻を迎えてはならない。

24:4 あなたは、私の国、私の親族のところに行って、私の息子イサクに妻を迎えなさい。」

24:5 しもべは彼に言った。「もしかしたら、その娘さんが、私についてこの地に来ようとしないかもしれません。その場合、ご子息をあなたの出身地へ連れて戻らなければなりませんか。」

24:6 アブラハムは彼に言った。「気をつけて、息子をそこへ連れて戻ることのないようにしなさい。

24:7 天の神、【主】は、私の父の家、私の親族の地から私を連れ出し、私に約束して、『あなたの子孫にこの地を与える』と誓われた。その方が、あなたの前に御使いを遣わされるのだ。あなたは、そこから私の息子に妻を迎えなさい。

24:8 もし、その娘があなたについて来ようとしないなら、あなたはこの、私との誓いから解かれる。ただ、私の息子をそこに連れて戻ることだけはしてはならない。」

24:9 それでしもべは、主人であるアブラハムのももの下に自分の手を入れ、このことについて彼に誓った。

24:10 しもべは主人のらくだの中から十頭を連れて出かけた。主人のあらゆる良い品々をその手に携えていた。彼は立って、アラム・ナハライムのナホルの町へ行った。

24:11 彼は夕暮れ時、水を汲む女たちが出て来るころ、町の外の井戸のそばにらくだを伏させた。

24:12 そうして言った。「私の主人アブラハムの神、【主】よ。どうか今日、私のために取り計らい、私の主人アブラハムに恵みを施してください。

24:13 ご覧ください。私は泉のそばに立っています。この町の人々の娘たちが、水を汲みに出て来るでしょう。

24:14 私が娘に、『どうか、あなたの水がめを傾けて、私に飲ませてください』と言い、その娘が、『お飲みください。あなたのらくだにも水を飲ませましょう』と言ったなら、その娘こそ、あなたが、あなたのしもべイサクのために定めておられた人です。このことで、あなたが私の主人に恵みを施されたことを、私が知ることができますように。」

24:15 しもべがまだ言い終わらないうちに、見よ、リベカが水がめを肩に載せて出て来た。リベカはミルカの子ベトエルの娘で、ミルカはアブラハムの兄弟ナホルの妻であった。

24:16 この娘は非常に美しく、処女で、男が触れたことがなかった。彼女は泉に下りて行き、水がめを満たして上がって来た。

24:17 しもべは彼女の方に走って行って、言った。「どうか、あなたの水がめから、水を少し飲ませてください。」

24:18 すると彼女は、「どうぞ、お飲みください。ご主人様」と言って、すばやくその手に水がめを取り降ろし、彼に飲ませた。

24:19 水を飲ませ終わると、彼女は、「あなたのらくだにも、飲み終わるまで、水を汲みましょう」と言った。

24:20 彼女は急いで水がめの水を水ぶねにあけ、水を汲みに、再び井戸まで走って行き、すべてのらくだのために水を汲んだ。

24:21 この人は、【主】が自分の旅を成功させてくださったかどうかを知ろうと、黙って彼女を見つめていた。

24:22 らくだが水を飲み終わったとき、その人は、重さ一ベカの金の飾り輪と、彼女の腕のために、重さ十シェケルの二つの金の腕輪を取り、

24:23 尋ねた。「あなたは、どなたの娘さんですか。どうか私に言ってください。あなたの父上の家には、私どもが泊めていただける場所があるでしょうか。」

24:24 彼女は答えた。「私は、ミルカがナホルに産んだ子ベトエルの娘です。」

24:25 また言った。「藁も飼料も、私たちのところには、たくさんあります。それに、お泊まりになる場所も。」

24:26 その人は、ひざまずき、【主】を礼拝して、

24:27 こう言った。「私の主人アブラハムの神、【主】がほめたたえられますように。主は、私の主人に対する恵みとまことをお捨てになりませんでした。【主】は道中、この私を導いてくださいました。主人の兄弟の家にまで。」

24:28 その娘は走って行って、母の家の者に、これらのことを告げた。

24:29 リベカには兄がいて、その名をラバンといった。ラバンは外へ出て、泉のそばにいるその人のもとへ走って行った。

24:30 彼は、飾り輪と、妹の腕にある腕輪を見、また、「あの人が私にこう言われました」と言った妹リベカのことばを聞くとすぐに、その人のところに行った。すると見よ、その人は泉のそば、らくだのそばに立っていた。

24:31 そこでラバンは言った。「どうぞ、おいでください。【主】に祝福された方。なぜ外に立っておられるのですか。私は、お宿と、らくだのための場所を用意しております。」

24:32 それで、その人は家の中に入った。らくだの荷が解かれ、らくだに藁と飼料が与えられ、彼の足と、一緒にいた従者たちの足を洗う水も与えられた。

24:33 それから、彼の前に食事が出されたが、彼は「私の用件を話すまでは、いただきません」と言った。「お話しください」と言われて、

24:34 彼は言った。「私はアブラハムのしもべです。

24:35 【主】は私の主人を大いに祝福されましたので、主人は富んでおります。主は主人に、羊や牛、銀や金、男女の奴隷、らくだやろばをお与えになりました。

24:36 私の主人の妻サラは、年をとってから主人に男の子を産み、主人はこの子に自分の全財産を譲っておられます。

24:37 私の主人は、こう言って、私に誓わせました。『私が住んでいるこの地のカナン人の娘たちの中から、私の息子の妻を迎えてはならない。

24:38 あなたは、私の父の家、私の親族のところへ行って、私の息子に妻を迎えなさい。』

24:39 そこで私は主人に申しました。『もしかしたら、その娘さんは私について来ないかもしれません。』

24:40 すると主人は答えました。『私は主の前に歩んできた。その【主】が御使いをあなたと一緒に遣わし、あなたの旅を成功させてくださる。あなたは、私の親族、私の父の家から、私の息子に妻を迎えなさい。

24:41 次のようなときは、あなたは私との誓いから解かれる。あなたが私の親族のところに行ったときに、もし彼らがあなたに娘を与えないなら、そのとき、あなたは私との誓いから解かれる。』

24:42 今日、私は泉のそばに来て言いました。『私の主人アブラハムの神、【主】よ。私がここまで来た旅を、もしあなたが成功させてくださるのなら──。

24:43 ご覧ください。私は泉のそばに立っています。若い娘が水を汲みに出て来たなら、私は「あなたの水がめから少し水を飲ませてください」と言います。

24:44 その人が私に、「どうぞ、お飲みください。あなたのらくだにも水を汲みましょう」と言ったなら、その娘さんこそ、【主】が私の主人の息子のために定められた方です。』

24:45 私が心の中で言い終わらないうちに、なんと、リベカさんが水がめを肩に載せて出て来たのです。そして、泉に下りて行き、水を汲みました。それで私が『どうか水を飲ませてください』と言うと、

24:46 急いで水がめを肩から降ろし、『お飲みください。あなたのらくだにも水を飲ませましょう』と言われたので、私は飲みました。らくだにも水を飲ませてくださいました。

24:47 私が尋ねて、『あなたは、どなたの娘さんですか』と言いますと、『ミルカがナホルに産んだ子ベトエルの娘です』と答えました。そこで私は、彼女の鼻に飾り輪をつけ、彼女の腕に腕輪をはめました。

24:48 そして私はひざまずき、【主】を礼拝し、私の主人アブラハムの神、【主】をほめたたえました。主は、私の主人の親族の娘さんを主人の息子に迎えるために、私を確かな道に導いてくださったのです。

24:49 それで今、あなたがたが私の主人に恵みとまことを施してくださるのなら、私にそう言ってください。もしそうでなければ、そうでないと私に言ってください。それによって、私は右か左に向かうことになります。」

24:50 ラバンとベトエルは答えた。「【主】からこのことが出たのですから、私たちはあなたに良し悪しを言うことはできません。

24:51 ご覧ください。リベカはあなたの前におります。どうぞお連れください。【主】が言われたとおりに、あなたのご主人の息子さんの妻となりますように。」

24:52 アブラハムのしもべは、彼らのことばを聞くやいなや、地にひれ伏して【主】を礼拝した。

24:53 そして、このしもべは銀や金の品物や衣装を取り出して、リベカに与えた。また、彼女の兄や母にも貴重な品々を贈った。

24:54 このしもべと、ともにいた従者たちは、食べたり飲んだりして、そこに泊まった。朝になって彼らが起きると、そのしもべは「私の主人のところへ帰らせてください」と言った。

24:55 彼女の兄と母は、「娘をしばらく、十日間ほど私たちのもとにとどまらせて、その後で行かせるようにしたいのですが」と言った。

24:56 しもべは彼らに、「私が遅れないようにしてください。【主】が私の旅を成功させてくださったのですから。主人のところへ行けるように、私を帰らせてください」と言った。

24:57 彼らは答えた。「娘を呼び寄せて、娘の言うことを聞いてみましょう。」

24:58 彼らはリベカを呼び寄せて、「この人と一緒に行くか」と尋ねた。すると彼女は「はい、行きます」と答えた。

24:59 そこで彼らは、妹リベカとその乳母を、アブラハムのしもべとその従者たちと一緒に送り出した。

24:60 彼らはリベカを祝福して言った。「われらの妹よ、あなたは幾千万にも増えるように。あなたの子孫は敵の門を勝ち取るように。」

24:61 リベカとその侍女たちは立ち上がり、らくだに乗って、その人の後について行った。こうして、しもべはリベカを連れ帰った。

24:62 一方イサクは、ベエル・ラハイ・ロイ地方から帰って来ていた。彼はネゲブの地に住んでいたのであった。

24:63 イサクは夕暮れ近く、野に散歩に出かけた。彼が目を上げて見ると、ちょうど、らくだが近づいて来ていた。

24:64 リベカも目を上げ、イサクを見ると、らくだから降り、

24:65 しもべに尋ねた。「野を歩いて私たちを迎えに来る、あの方はどなたですか。」しもべは答えた。「あの方が私の主人です。」そこで、リベカはベールを手に取って、身をおおった。

24:66 しもべは、自分がしてきたことを残らずイサクに話した。

 

24:67 イサクは、その母サラの天幕にリベカを連れて行き、リベカを迎えて妻とし、彼女を愛した。イサクは、母の亡き後、慰めを得

25:1 アブラハムは、再び妻を迎えた。その名はケトラといった。

25:2 彼女はアブラハムに、ジムラン、ヨクシャン、メダン、ミディアン、イシュバク、シュアハを産んだ。

25:3 ヨクシャンはシェバとデダンを生んだ。デダンの子孫は、アッシュル人とレトシム人とレウミム人であった。

25:4 ミディアンの子は、エファ、エフェル、ハノク、アビダ、エルダアで、これらはみな、ケトラの子であった。

25:5 アブラハムは自分の全財産をイサクに与えた。

25:6 しかし、側女たちの子には贈り物を与え、自分が生きている間に、彼らを東の方、東方の国に行かせて、自分の子イサクから遠ざけた。

25:7 以上がアブラハムの生きた年月で、百七十五年であった。

25:8 アブラハムは幸せな晩年を過ごし、年老いて満ち足り、息絶えて死んだ。そして自分の民に加えられた。

25:9 その息子、イサクとイシュマエルは、アブラハムを、マムレに面するマクペラの洞穴に葬った。これは、ヒッタイト人ツォハルの子エフロンの畑地にある。

25:10 アブラハムがヒッタイト人たちから買ったあの畑地である。アブラハムと彼の妻サラはそこに葬られた。

25:11 アブラハムの死後、神は彼の子イサクを祝福された。イサクはベエル・ラハイ・ロイの近くに住んだ。

25:12 これは、サラの女奴隷、エジプト人ハガルがアブラハムに産んだ、アブラハムの子イシュマエルの歴史である。

25:13 イシュマエルの子は、生まれた順に名を挙げると、イシュマエルの長子ネバヨテ、それからケダル、アデベエル、ミブサム、

25:14 ミシュマ、ドマ、マサ、

25:15 ハダド、テマ、エトル、ナフィシュ、ケデマである。

25:16 これがイシュマエルの子孫である。これらは、集落と宿営ごとにつけられた彼らの名で、十二人の、それぞれの氏族の長である。

25:17 以上がイシュマエルの生涯で、その年数は百三十七年であった。彼は息絶えて死に、自分の民に加えられた。

25:18 イシュマエルの子孫は、ハビラからシュルまでの地域に住んだ。シュルはエジプトに接し、アッシュルへの道にあった。彼らは、すべての兄弟たちに敵対していた。

25:19 これはアブラハムの子イサクの歴史である。アブラハムはイサクを生んだ。

25:20 イサクが、パダン・アラムのアラム人ベトエルの娘で、アラム人ラバンの妹であるリベカを妻に迎えたときは、四十歳であった。

25:21 イサクは、自分の妻のために【主】に祈った。彼女が不妊の女だったからである。【主】は彼の祈りを聞き入れ、妻リベカは身ごもった。

25:22 子どもたちが彼女の腹の中でぶつかり合うようになったので、彼女は「こんなことでは、いったいどうなるのでしょう、私は」と言った。そして、【主】のみこころを求めに出て行った。

25:23 すると【主】は彼女に言われた。「二つの国があなたの胎内にあり、二つの国民があなたから分かれ出る。一つの国民は、もう一つの国民より強く、兄が弟に仕える。」

25:24 月日が満ちて出産の時になった。すると見よ、双子が胎内にいた。

25:25 最初に出て来た子は、赤くて、全身毛衣のようであった。それで、彼らはその子をエサウと名づけた。

25:26 その後で弟が出て来たが、その手はエサウのかかとをつかんでいた。それで、その子はヤコブと名づけられた。イサクは、彼らを生んだとき、六十歳であった。

25:27 この子どもたちは成長した。エサウは巧みな狩人、野の人であったが、ヤコブは穏やかな人で、天幕に住んでいた。

25:28 イサクはエサウを愛していた。猟の獲物を好んでいたからである。しかし、リベカはヤコブを愛していた。

25:29 さて、ヤコブが煮物を煮ていると、エサウが野から帰って来た。彼は疲れきっていた。

25:30 エサウはヤコブに言った。「どうか、その赤いのを、そこの赤い物を食べさせてくれ。疲れきっているのだ。」それで、彼の名はエドムと呼ばれた。

25:31 するとヤコブは、「今すぐ私に、あなたの長子の権利を売ってください」と言った。

25:32 エサウは、「見てくれ。私は死にそうだ。長子の権利など、私にとって何になろう」と言った。

25:33 ヤコブが「今すぐ、私に誓ってください」と言ったので、エサウはヤコブに誓った。こうして彼は、自分の長子の権利をヤコブに売った。

 

25:34 ヤコブがエサウにパンとレンズ豆の煮物を与えたので、エサウは食べたり飲んだりして、立ち去った。こうしてエサウは長子の権利を侮った。