11:1 さて、民は【主】に対して、繰り返し激しく不平を言った。【主】はこれを聞いて怒りを燃やし、【主】の火が彼らに向かって燃え上がり、宿営の端をなめ尽くした。

11:2 すると民はモーセに向かってわめき叫んだ。それで、モーセが【主】に祈ると、その火は消えた。

11:3 その場所の名はタブエラと呼ばれた。【主】の火が、彼らに向かって燃え上がったからである。

11:4 彼らのうちに混じって来ていた者たちは激しい欲望にかられ、イスラエルの子らは再び大声で泣いて、言った。「ああ、肉が食べたい。

11:5 エジプトで、ただで魚を食べていたことを思い出す。きゅうりも、すいか、にら、玉ねぎ、にんにくも。

11:6 だが今や、私たちの喉はからからだ。全く何もなく、ただ、このマナを見るだけだ。」

11:7 マナはコエンドロの種のようで、一見、ベドラハのようであった。

11:8 民は歩き回ってそれを集め、ひき臼でひくか臼でつき、これを鍋で煮てパン菓子を作った。その味は、油で揚げた菓子のような味であった。

11:9 夜、宿営に露が降りるとき、マナもそれと一緒に降りて来た。

11:10 モーセは、民がその家族ごとに、それぞれ自分の天幕の入り口で泣くのを聞いた。【主】の怒りは激しく燃え上がった。このことは、モーセにとって辛いことであった。

11:11 それで、モーセは【主】に言った。「なぜ、あなたはしもべを苦しめられるのですか。なぜ、私はあなたのご好意を受けられないのですか。なぜ、この民全体の重荷を私に負わされるのですか。

11:12 私がこのすべての民をはらんだのでしょうか。私が彼らを産んだのでしょうか。それなのになぜ、あなたは私に、『乳母が乳飲み子を抱きかかえるように、彼らをあなたの胸に抱き、わたしが彼らの父祖たちに誓った地に連れて行け』と言われるのですか。

11:13  どこから私は肉を得て、この民全体に与えられるでしょうか。彼らは私に泣き叫び、『肉を与えて食べさせてくれ』と言うのです。

11:14 私一人で、この民全体を負うことはできません。私には重すぎます。

11:15 私をこのように扱われるのなら、お願いです、どうか私を殺してください。これ以上、私を悲惨な目にあわせないでください。」

11:16 【主】はモーセに言われた。「イスラエルの長老たちのうちから、民の長老で、あなたが民のつかさと認める者七十人をわたしのために集めよ。そして、彼らを会見の天幕に連れて来て、そこであなたのそばに立たせよ。

11:17 わたしは降りて行って、そこであなたと語り、あなたの上にある霊から一部を取って彼らの上に置く。それで彼らも民の重荷をあなたとともに負い、あなたがたった一人で負うことはなくなる。

11:18 あなたは民に言わなければならない。明日に備えて身を聖別しなさい。あなたがたは肉を食べられる。あなたがたが泣いて、【主】に対して『ああ、肉が食べたい。エジプトは良かった』と言ったからだ。【主】が肉を下さる。あなたがたは肉を食べられるのだ。

11:19 あなたがたが食べるのは、ほんの一日や二日や五日や十日や二十日ではなく、

11:20 一か月もであって、ついには、あなたがたの鼻から出て来て、吐き気をもよおすほどになる。それは、あなたがたのうちにおられる【主】をないがしろにして、その御前で泣き、『いったい、なぜ、われわれはエジプトから出て来たのか』と言ったからだ。」

11:21 しかしモーセは言った。「私と一緒にいる民は、徒歩の男子だけで六十万人です。しかもあなたは、彼らに肉を与え、一か月の間食べさせる、と言われます。

11:22 彼らのために羊の群れ、牛の群れが屠られても、それは彼らに十分でしょうか。彼らのために海の魚が全部集められても、彼らに十分でしょうか。」

11:23 【主】はモーセに答えられた。「この【主】の手が短いというのか。わたしのことばが実現するかどうかは、今に分かる。」

11:24 モーセは出て行って、【主】のことばを民に語った。そして民の長老たちのうちから七十人を集め、彼らを天幕の周りに立たせた。

11:25 すると【主】は雲の中にあって降りて来て、モーセと語り、彼の上にある霊から一部を取って、その七十人の長老に与えられた。その霊が彼らの上にとどまると、彼らは預言した。しかし、重ねてそれをすることはなかった。

11:26 そのとき、二人の者が宿営に残っていた。一人の名はエルダデ、もう一人の名はメダデであった。彼らの上にも霊がとどまった。彼らは長老として登録された者たちだったが、天幕へは出て行かなかったのである。彼らは宿営の中で預言した。

11:27 それで、一人の若者が走って来て、モーセに告げた。「エルダデとメダデが宿営の中で預言しています。」

11:28 若いときからモーセの従者であったヌンの子ヨシュアは答えて言った。「わが主、モーセよ。彼らをやめさせてください。」

11:29 モーセは彼に言った。「あなたは私のためを思って、ねたみを起こしているのか。【主】の民がみな、預言者となり、【主】が彼らの上にご自分の霊を与えられるとよいのに。」

11:30 それから、モーセとイスラエルの長老たちは、宿営に戻った。

11:31 さて、【主】のもとから風が吹き、海からうずらを運んで来て、宿営の近くに落とした。それは宿営の周り、どちらの側にも約一日の道のりの範囲で、地面から約二キュビトの高さになった。

11:32 民は、その日は終日終夜、次の日も終日出て行ってうずらを集めた。集めたのが最も少なかった者でも、十ホメルほど集めた。彼らはそれらを自分たちのために、宿営の周囲に広げておいた。

11:33 肉が彼らの歯の間にあって、まだかみ終わらないうちに、【主】の怒りが民に向かって燃え上がり、【主】は非常に激しい疫病で民を打たれた。

11:34 その場所の名はキブロテ・ハ・タアワと呼ばれた。欲望にかられた民が、そこに埋められたからである。

 

11:35 キブロテ・ハ・タアワから、民はハツェロテに進んで行った。そしてハツェロテにとどまった。

12:1 そのとき、ミリアムとアロンは、モーセが妻としていたクシュ人の女のことで彼を非難した。モーセがクシュ人の女を妻としていたからである。

12:2 彼らは言った。「【主】はただモーセとだけ話されたのか。われわれとも話されたのではないか。」【主】はこれを聞かれた。

12:3 モーセという人は、地の上のだれにもまさって柔和であった。

12:4 【主】は突然、モーセとアロンとミリアムに、「あなたがた三人は会見の天幕のところへ出よ」と言われた。そこで彼ら三人は出て行った。

12:5 【主】は雲の柱の中にあって降りて来られ、天幕の入り口に立って、アロンとミリアムを呼ばれた。二人が出て行くと、

12:6 主は言われた。「聞け、わたしのことばを。もし、あなたがたの間に預言者がいるなら、【主】であるわたしは、幻の中でその人にわたし自身を知らせ、夢の中でその人と語る。

12:7 だがわたしのしもべモーセとはそうではない。彼はわたしの全家を通じて忠実な者。

12:8 彼とは、わたしは口と口で語り、明らかに語って、謎では話さない。彼は【主】の姿を仰ぎ見ている。なぜあなたがたは、わたしのしもべ、モーセを恐れず、非難するのか。」

12:9 【主】の怒りが彼らに向かって燃え上がり、主は去って行かれた。

12:10 雲が天幕の上から離れ去ると、見よ、ミリアムは皮膚がツァラアトに冒され、雪のようになっていた。アロンがミリアムの方を振り向くと、見よ、彼女はツァラアトに冒されていた。

12:11 アロンはモーセに言った。「わが主よ。どうか、私たちが愚かにも陥ってしまった罪の罰を、私たちに負わせないでください。

12:12 どうか、彼女を、肉が半ば腐って母の胎から出て来る死人のようにしないでください。」

12:13 モーセは【主】に叫んだ。「神よ、どうか彼女を癒やしてください。」

12:14 しかし【主】はモーセに言われた。「もし彼女の父が彼女の顔に唾したら、彼女は七日間、恥をかかされることにならないか。彼女を七日間、宿営の外に締め出しておかなければならない。その後で彼女は戻ることができる。」

12:15 それでミリアムは七日間、宿営の外に締め出された。民はミリアムが戻るまで旅立たなかった。

 

12:16 それから民はハツェロテを旅立ち、パランの荒野に宿営した。

13:1 【主】はモーセに告げられた。

13:2 「人々を遣わして、わたしがイスラエルの子らに与えようとしているカナンの地を偵察させよ。父祖の部族ごとに一人ずつ、族長を遣わさなければならない。」

13:3 モーセは、【主】の命により、パランの荒野から彼らを遣わした。彼らはみな、イスラエルの子らのかしらであった。

13:4 彼らの名は次のとおりである。ルベン部族からはザクルの子シャムア。

13:5 シメオン部族からはホリの子シャファテ。

13:6 ユダ部族からはエフンネの子カレブ。

13:7 イッサカル部族からはヨセフの子イグアル。

13:8 エフライム部族からはヌンの子ホセア。

13:9 ベニヤミン部族からはラフの子パルティ。

13:10 ゼブルン部族からはソディの子ガディエル。

13:11 ヨセフ部族、すなわちマナセ部族からはスシの子ガディ。

13:12 ダン部族からはゲマリの子アンミエル。

13:13 アシェル部族からはミカエルの子セトル。

13:14 ナフタリ部族からはボフシの子ナフビ。

13:15 ガド部族からはマキの子ゲウエル。

13:16 以上が、モーセがその地の偵察のために遣わした者の名である。モーセはヌンの子ホセアをヨシュアと名づけた。

13:17 モーセは、カナンの地の偵察のために彼らを遣わして言った。「向こうに上って行ってネゲブに入り、山地に行き、

13:18 その地がどんなであるか、調べてきなさい。そこに住んでいる民が強いか弱いか、少ないか多いか、

13:19 また彼らが住んでいる土地はどうか、それが良いか悪いか、彼らが住んでいる町々はどうか、それらは宿営か、それとも城壁の町か、

13:20 土地はどうか、それは肥えているか痩せているか、そこには木があるかないか。勇気を出して、その地の果物を取って来なさい。」その季節は初ぶどうの熟すころであった。

13:21 それで、彼らは上って行き、ツィンの荒野からレボ・ハマテのレホブまで、その地を偵察した。

13:22 彼らは上って行ってネゲブに入り、ヘブロンまで行った。そこにはアナクの子孫であるアヒマンと、シェシャイと、タルマイがいた。ヘブロンはエジプトのツォアンより七年前に建てられていた。

13:23 彼らはエシュコルの谷まで来て、そこでぶどうが一房ついた枝を切り取り、二人で棒で担いだ。また、ざくろやいちじくの木からも切り取った。

13:24 その場所は、イスラエルの子らがそこで切り取ったぶどうの房にちなんで、エシュコルの谷と呼ばれた。

13:25 四十日の終わりに、彼らはその地の偵察から戻った。

13:26 彼らは、パランの荒野のカデシュにいるモーセとアロンおよびイスラエルの全会衆のところにやって来て、二人と全会衆に報告をし、その地の果物を見せた。

13:27 彼らはモーセに語った。「私たちは、あなたがお遣わしになった地に行きました。そこには確かに乳と蜜が流れています。そして、これがそこの果物です。

13:28 ただ、その地に住む民は力が強く、その町々は城壁があって非常に大きく、そのうえ、そこでアナクの子孫を見ました。

13:29 アマレク人がネゲブの地方に住んでいて、ヒッタイト人、エブス人、アモリ人が山地に、カナン人が海岸とヨルダンの川岸に住んでいます。」

13:30 そのとき、カレブがモーセの前で、民を静めて言った。「私たちはぜひとも上って行って、そこを占領しましょう。必ず打ち勝つことができます。」

13:31 しかし、彼と一緒に上って行った者たちは言った。「あの民のところには攻め上れない。あの民は私たちより強い。」

13:32 彼らは偵察して来た地について、イスラエルの子らに悪く言いふらして言った。「私たちが行き巡って偵察した地は、そこに住む者を食い尽くす地で、そこで見た民はみな、背の高い者たちだ。

 

13:33 私たちは、そこでネフィリムを、ネフィリムの末裔アナク人を見た。私たちの目には自分たちがバッタのように見えたし、彼らの目にもそう見えただろう。」

14:1 すると、全会衆は大声をあげて叫び、民はその夜、泣き明かした。

14:2 イスラエルの子らはみな、モーセとアロンに不平を言った。全会衆は彼らに言った。「われわれはエジプトの地で死んでいたらよかった。あるいは、この荒野で死んでいたらよかったのだ。

14:3 なぜ【主】は、われわれをこの地に導いて来て、剣に倒れるようにされるのか。妻や子どもは、かすめ奪われてしまう。エジプトに帰るほうが、われわれにとって良くはないか。」

14:4 そして互いに言った。「さあ、われわれは、かしらを一人立ててエジプトに帰ろう。」

14:5 そこで、モーセとアロンは、イスラエルの会衆の集会全体の前でひれ伏した。

14:6 すると、その地を偵察して来た者のうち、ヌンの子ヨシュアとエフンネの子カレブが、自分たちの衣を引き裂き、

14:7 イスラエルの全会衆に向かって次のように言った。「私たちが巡り歩いて偵察した地は、すばらしく、良い地だった。

14:8 もし【主】が私たちを喜んでおられるなら、私たちをあの地に導き入れ、それを私たちに下さる。あの地は乳と蜜が流れる地だ。

14:9 ただ、【主】に背いてはならない。その地の人々を恐れてはならない。彼らは私たちの餌食となる。彼らの守りは、すでに彼らから取り去られている。【主】が私たちとともにおられるのだ。彼らを恐れてはならない。」

14:10 しかし全会衆は、二人を石で打ち殺そうと言い出した。すると、【主】の栄光が会見の天幕からすべてのイスラエルの子らに現れた。

14:11 【主】はモーセに言われた。「この民はいつまでわたしを侮るのか。わたしがこの民の間で行ったすべてのしるしにもかかわらず、いつまでわたしを信じようとしないのか。

14:12 わたしは彼らを疫病で打ち、ゆずりの地を?奪する。しかし、わたしはあなたを彼らよりも強く大いなる国民にする。」

14:13 モーセは【主】に言った。「エジプトは、あなたが御力によって、自分たちのうちからこの民を導き出されたことを聞いて、

14:14 この地の住民に告げるでしょう。事実、住民たちは聞いています。あなた、【主】がこの民のうちにおられ、あなた、【主】が目の当たりにご自身を現されること、またあなたの雲が彼らの上に立ち、あなたが昼は雲の柱、夜は火の柱の内にあって、彼らの前を歩んでおられることを。

14:15 もし、あなたがこの民を一人残らず殺すなら、あなたのうわさを聞いた異邦の民は、このように言うに違いありません。

14:16 『【主】はこの民を、彼らに誓った地に導き入れることができなかったので、荒野で殺したのだ』と。

14:17 どうか今、あなたが語られたように、わが主の大きな力を現してください。あなたは言われました。

14:18 『【主】は怒るのに遅く、恵み豊かであり、咎と背きを赦す。しかし、罰すべき者を必ず罰し、父の咎を子に報い、三代、四代に及ぼす』と。

14:19 この民をエジプトから今に至るまで耐え忍んでくださったように、どうかこの民の咎をあなたの大きな恵みによって赦してください。」

14:20 【主】は言われた。「あなたのことばどおりに、わたしは赦す。

14:21 しかし、わたしが生きていて、【主】の栄光が全地に満ちている以上、

14:22 わたしの栄光と、わたしがエジプトとこの荒野で行ったしるしとを見ながら、十度もこのようにわたしを試み、わたしの声に聞き従わなかった者たちは、だれ一人、

14:23 わたしが彼らの父祖たちに誓った地を見ることはない。わたしを侮った者たちは、だれ一人、それを見ることはない。

14:24 ただし、わたしのしもべカレブは、ほかの者とは違った霊を持ち、わたしに従い通したので、わたしは、彼が行って来た地に彼を導き入れる。彼の子孫はその地を所有するようになる。

14:25 平地にはアマレク人とカナン人が住んでいるので、あなたがたは、明日、向きを変えてここを旅立ち、葦の海の道を通って荒野へ行け。」

14:26 【主】はモーセとアロンに告げられた。

14:27 「いつまで、この悪い会衆は、わたしに不平を言い続けるのか。わたしは、イスラエルの子らがわたしにつぶやく不平を聞いた。

14:28 彼らに言え。わたしは生きている──【主】のことば──。わたしは必ず、おまえたちがわたしの耳に語ったとおりに、おまえたちに行う。

14:29 この荒野におまえたちは、屍をさらす。わたしに不平を言った者で、二十歳以上の、登録され数えられた者たち全員である。

14:30 エフンネの子カレブと、ヌンの子ヨシュアのほかは、おまえたちを住まわせるとわたしが誓った地に、だれ一人入ることはできない。

14:31 おまえたちが『かすめ奪われてしまう』と言った、おまえたちの子どもについては、わたしは彼らを導き入れる。彼らはおまえたちが拒んだ地を知るようになる。

14:32 しかし、おまえたちはこの荒野に屍をさらす。

14:33 おまえたちの子どもは、この荒野で四十年の間羊を飼う者となり、おまえたちがみな、屍となるまで、おまえたちの背信の責めを負わなければならない。

14:34 おまえたちが、あの地を偵察した日数は四十日であった。その一日を一年と数えて、四十年の間おまえたちは自分の咎を負わなければならない。こうして、わたしへの反抗が何であるかを思い知ることになる。

14:35 【主】であるこのわたしが言う。一つになってわたしに逆らったこの悪い会衆のすべてに対して、わたしは必ずこうする。この荒野で彼らは死に絶える。

14:36 また、モーセがあの地の偵察のために遣わした者で、帰って来て、その地について悪く言いふらし、全会衆にモーセに対する不平を言わせた者たちもだ。」

14:37 こうして、その地を悪く言いふらした者たちは、【主】の前に疫病で死んだ。

14:38 しかし、あの地を偵察しに行った者のうち、ヌンの子ヨシュアと、エフンネの子カレブは生き残った。

14:39 モーセがこれらのことばを、すべてのイスラエルの子らに告げると、民は嘆き悲しんだ。

14:40 翌朝早く、彼らは山地の峰の方に上って行こうとして言った。「われわれはここにいるが、とにかく【主】が言われた場所へ上って行ってみよう。われわれは罪を犯してしまったのだ。」

14:41 モーセは言った。「あなたがたはいったいなぜ、【主】の命令を破ろうとするのか。それは成功しない。

14:42 上って行ってはならない。【主】があなたがたのうちにおられないのだから。あなたがたは敵に打ち負かされてはならない。

14:43 そこには、あなたがたの前にアマレク人とカナン人がいて、あなたがたは剣で倒される。あなたがたが【主】に背いたから、【主】はあなたがたとともにはおられない。」

14:44 しかし、彼らはかまわずに山地の峰の方に上って行った。【主】の契約の箱とモーセは、宿営の中から動かなかった。

 

14:45 山地に住んでいたアマレク人とカナン人は、下って来て彼らを討ち、ホルマまで彼らを追い散らした。

15:1 【主】はモーセにこう告げられた。

15:2 「イスラエルの子らに告げよ。わたしがあなたがたに与えて住まわせる地にあなたがたが入り、

15:3 食物のささげ物を【主】に献げるとき、すなわち、特別な誓願を果たすためであれ、進んで献げるものとしてであれ、例祭としてであれ、牛か羊の群れから全焼のささげ物かいけにえをもって、【主】に芳ばしい香りを献げるとき、

15:4 そのささげ物をする者は、穀物のささげ物として、油四分の一ヒンを混ぜた小麦粉十分の一エパを、【主】に献げなければならない。

15:5 また全焼のささげ物、またはいけにえに添えて、子羊一匹のための注ぎのささげ物として、四分の一ヒンのぶどう酒を献げなければならない。

15:6 雄羊の場合には、穀物のささげ物として、油三分の一ヒンを混ぜた小麦粉十分の二エパを献げ、

15:7 さらに注ぎのささげ物として、ぶどう酒三分の一ヒンを献げなければならない。これは、【主】への芳ばしい香りである。

15:8 また、あなたが特別な誓願を果たすために、若い牛を全焼のささげ物、もしくはいけにえとする場合、あるいは交わりのいけにえとして【主】に献げる場合は、

15:9 その若い牛に添えて、油二分の一ヒンを混ぜた小麦粉十分の三エパの穀物のささげ物を献げ、

15:10 また注ぎのささげ物として、ぶどう酒二分の一ヒンを献げなければならない。これは【主】への食物のささげ物、芳ばしい香りである。

15:11 牛一頭、雄羊一匹、いかなる羊、やぎについても、このようにしなければならない。

15:12 あなたがたが献げる数に応じて、それらの数にしたがって、一頭、一匹ごとにこのようにしなければならない。

15:13 すべてこの国に生まれた者が、【主】への芳ばしい香りの、食物のささげ物を献げるには、このようにこれらのことを行わなければならない。

15:14 また、あなたがたのところに寄留している者、あるいは、あなたがたのうちに代々住んでいる者が、【主】への芳ばしい香りである、食物のささげ物を献げる場合には、あなたがたがするようにその人もしなければならない。

15:15 一つの集会として、掟はあなたがたにも、寄留している者にも同一であり、代々にわたる永遠の掟である。【主】の前には、あなたがたも寄留者も同じである。

15:16 あなたがたにも、あなたがたのところに寄留している者にも、同一のおしえ、同一のさばきが適用されなければならない。」

15:17 【主】はモーセにこう告げられた。

15:18 「イスラエルの子らに告げよ。わたしがあなたがたを導き入れようとする地にあなたがたが入り、

15:19 その地のパンを食べるようになったら、あなたがたは【主】に奉納物を献げなければならない。

15:20 初物の麦粉で作った輪形パンを奉納物として献げ、打ち場からの奉納物として献げなければならない。

15:21 初物の麦粉のうちから、あなたがたは代々にわたり、【主】に奉納物を献げなければならない。

15:22 あなたがたが迷い出て、【主】がモーセに告げたこれらすべての命令、

15:23 すなわち、【主】が命じた日以後、代々にわたって、【主】がモーセを通してあなたがたに命じたすべてのことを行わないとき、

15:24 もしそのことが、会衆が気づかずになされたのなら、全会衆は、【主】への芳ばしい香りのための全焼のささげ物として若い雄牛一頭、また、定めにかなう穀物のささげ物と注ぎのささげ物、さらに罪のきよめのささげ物として雄やぎ一匹を献げなければならない。

15:25 祭司がイスラエルの全会衆のために宥めを行うなら、彼らは赦される。それは過失であり、彼らが自分たちの過失のために、自分たちのささげ物、すなわち【主】への食物のささげ物と罪のきよめのささげ物を、【主】の前に持って来たからである。

15:26 イスラエルの全会衆も、あなたがたの間に寄留している者も赦される。それは民全体の過ちだからである。

15:27 もし個人が気づかずに罪に陥ってしまったのなら、一歳の雌やぎ一匹を罪のきよめのささげ物として献げなければならない。

15:28 祭司は、気づかずに罪に陥ってしまった者のために、【主】の前で宥めを行う。彼のために宥めを行い、その人は赦される。

15:29 イスラエルの子らのうちのこの国に生まれた者でも、あなたがたの間に寄留している者でも、気づかずに罪を行ってしまった者には、あなたがたと同一のおしえが適用されなければならない。

15:30 この国に生まれた者でも、寄留者でも、故意に違反する者は【主】を冒?する者であり、その人は自分の民の間から断ち切られる。

15:31 【主】のことばを侮り、その命令を破ったのであるから、必ず断ち切られ、その咎を負う。」

15:32 イスラエルの子らが荒野にいたとき、安息日に薪を集めている男が見つかった。

15:33 薪を集めている者を見つけた人たちは、その人をモーセとアロンおよび全会衆のところに連れて来た。

15:34 しかし、その人をどうすべきか、はっきりと示されていなかったので、彼を留置しておいた。

15:35 すると、【主】はモーセに言われた。「この者は必ず殺されなければならない。全会衆は宿営の外で、彼を石で打ち殺さなければならない。」

15:36 そこで、全会衆は【主】がモーセに命じられたように、その人を宿営の外に連れ出し、石で打ち殺した。

15:37 【主】はモーセに告げられた。

15:38 「イスラエルの子らに告げて、彼らが代々にわたり、衣服の裾の四隅に房を作り、その隅の房に青いひもを付けるように言え。

15:39 その房はあなたがたのためであって、あなたがたがそれを見て、【主】のすべての命令を思い起こしてそれを行うためであり、淫らなことをする自分の心と目の欲にしたがって、さまよい歩くことのないようにするためである。

15:40 こうしてあなたがたが、わたしのすべての命令を思い起こして、これを行い、あなたがたの神に対して聖なる者となるためである。

 

15:41 わたしが、あなたがたの神、【主】であり、わたしがあなたがたの神となるために、あなたがたをエジプトの地から導き出したのである。わたしはあなたがたの神、【主】である。」