【新改訳2017】
6:1 【主】はモーセに言われた。「あなたには、わたしがファラオにしようとしていることが今に分かる。彼は強いられてこの民を去らせ、強いられてこの民を自分の国から追い出すからだ。」
6:2 神はモーセに語り、彼に仰せられた。「わたしは【主】である。
6:3 わたしは、アブラハム、イサク、ヤコブに全能の神として現れたが、【主】という名では、彼らにわたしを知らせなかった。
6:4 わたしはまた、カナンの地、彼らがとどまった寄留の地を彼らに与えるという契約を彼らと立てた。
6:5 今わたしは、エジプトが奴隷として仕えさせているイスラエルの子らの嘆きを聞き、わたしの契約を思い起こした。
6:6 それゆえ、イスラエルの子らに言え。『わたしは【主】である。わたしはあなたがたをエジプトの苦役から導き出す。あなたがたを重い労働から救い出し、伸ばされた腕と大いなるさばきによって贖う。
6:7 わたしはあなたがたを取ってわたしの民とし、わたしはあなたがたの神となる。あなたがたは、わたしがあなたがたの神、【主】であり、あなたがたをエジプトでの苦役から導き出す者であることを知る。
6:8 わたしは、アブラハム、イサク、ヤコブに与えると誓ったその地にあなたがたを連れて行き、そこをあなたがたの所有地として与える。わたしは【主】である。』」
6:9 モーセはこのようにイスラエルの子らに語ったが、彼らは失意と激しい労働のために、モーセの言うことを聞くことができなかった。
6:10 【主】はモーセに告げられた。
6:11 「エジプトの王ファラオのところへ行って、イスラエルの子らをその国から去らせるように告げよ。」
6:12 しかし、モーセは【主】の前で訴えた。「ご覧ください。イスラエルの子らは私の言うことを聞きませんでした。どうしてファラオが私の言うことを聞くでしょうか。しかも、私は口べたなのです。」
6:13 【主】はモーセとアロンに語り、イスラエルの子らをエジプトの地から導き出すよう、イスラエルの子らとエジプトの王ファラオについて彼らに命じられた。
6:14 彼らの一族のかしらたちは次のとおりである。イスラエルの長子ルベンの子はハノク、パル、ヘツロン、カルミで、これらがルベン族である。
6:15 シメオンの子はエムエル、ヤミン、オハデ、ヤキン、ツォハル、およびカナンの女から生まれたシャウルで、これらがシメオン族である。
6:16 家系にしたがって記すと、レビの子の名は次のとおり。ゲルション、ケハテ、メラリ。レビが生きた年月は百三十七年であった。
6:17 ゲルションの子は、氏族ごとに言うと、リブニとシムイである。
6:18 ケハテの子はアムラム、イツハル、ヘブロン、ウジエルである。ケハテが生きた年月は百三十三年であった。
6:19 メラリの子はマフリとムシである。これらが、彼らの家系によるレビ人の諸氏族である。
6:20 アムラムは自分の叔母ヨケベデを妻にした。彼女はアロンとモーセを産んだ。アムラムが生きた年月は百三十七年であった。
6:21 イツハルの子はコラ、ネフェグ、ジクリである。
6:22 ウジエルの子はミシャエル、エルツァファン、シテリである。
6:23 アロンは、アミナダブの娘でナフションの妹であるエリシェバを妻にし、彼女はアロンにナダブとアビフ、エルアザルとイタマルを産んだ。
6:24 コラの子はアシル、エルカナ、アビアサフで、これらがコラ人の諸氏族である。
6:25 アロンの子エルアザルは、プティエルの娘の一人を妻とし、彼女はピネハスを産んだ。これらがレビ人の諸氏族の、一族のかしらたちである。
6:26 このアロンとモーセに【主】は、「イスラエルの子らを軍団ごとにエジプトの地から導き出せ」と言われたのであった。
6:27 エジプトの王ファラオに向かって、イスラエルの子らをエジプトから導き出すようにと言ったのも、このモーセとアロンである。
6:28 【主】がエジプトの地でモーセに語られたときに、
6:29 【主】はモーセに告げられた。「わたしは【主】である。わたしがあなたに語ることをみな、エジプトの王ファラオに告げよ。」
6:30 しかし、モーセは【主】の前で言った。「ご覧ください。私は口べたです。どうしてファラオが私の言うことを聞くでしょうか。」
7:1 【主】はモーセに言われた。「見よ、わたしはあなたをファラオにとって神とする。あなたの兄アロンがあなたの預言者となる。
7:2 あなたはわたしの命じることを、ことごとく告げなければならない。あなたの兄アロンはファラオに、イスラエルの子らをその地から去らせるようにと告げなければならない。
7:3 わたしはファラオの心を頑なにし、わたしのしるしと不思議をエジプトの地で数多く行う。
7:4 しかし、ファラオはあなたがたの言うことを聞き入れない。そこで、わたしはエジプトに手を下し、大いなるさばきによって、わたしの軍団、わたしの民イスラエルの子らをエジプトの地から導き出す。
7:5 わたしが手をエジプトの上に伸ばし、イスラエルの子らを彼らのただ中から導き出すとき、エジプトは、わたしが【主】であることを知る。」
7:6 そこでモーセとアロンはそのように行った。【主】が彼らに命じられたとおりに行った。
7:7 彼らがファラオに語ったとき、モーセは八十歳、アロンは八十三歳であった。
7:8 また【主】はモーセとアロンに言われた。
7:9 「ファラオがあなたがたに『おまえたちの不思議を行え』と言ったら、あなたはアロンに『その杖を取って、ファラオの前に投げよ』と言え。それは蛇になる。」
7:10 モーセとアロンはファラオのところに行き、【主】が命じられたとおりに行った。アロンは自分の杖をファラオとその家臣たちの前に投げた。すると、それは蛇になった。
7:11 そこで、ファラオも知恵のある者と呪術者を呼び寄せた。これらエジプトの呪法師たちもまた、彼らの秘術を使って同じことをした。
7:12 彼らがそれぞれ自分の杖を投げると、それは蛇になった。しかし、アロンの杖は彼らの杖を?み込んだ。
7:13 それでもファラオの心は頑なになり、彼らの言うことを聞き入れなかった。【主】が言われたとおりであった。
7:14 【主】はモーセに言われた。「ファラオの心は硬く、民を去らせることを拒んでいる。
7:15 あなたは朝、ファラオのところへ行け。見よ、彼は水辺に出て来る。あなたはナイル川の岸に立って、彼を迎えよ。そして、蛇に変わったその杖を手に取り、
7:16 彼に言え。『ヘブル人の神、【主】が私をあなたに遣わして言われました。わたしの民を去らせ、彼らが荒野でわたしに仕えるようにせよ、と。しかし、ご覧ください。あなたは今までお聞きになりませんでした。
7:17 【主】はこう言われます。あなたは、次のことによって、わたしが【主】であることを知る、と。ご覧ください。私は手に持っている杖でナイル川の水を打ちます。すると、水は血に変わり、
7:18 ナイル川の魚は死に、ナイル川は臭くなります。それで、エジプト人はナイル川の水を飲むのに耐えられなくなります。』」
7:19 【主】はモーセに言われた。「アロンに言え。『あなたの杖を取り、手をエジプトの水の上、その川、水路、池、すべての貯水池の上に伸ばしなさい。そうすれば、それらは血となり、エジプト全土で木の器や石の器にも血があるようになる。』」
7:20 モーセとアロンは【主】が命じられたとおりに行った。モーセはファラオとその家臣たちの目の前で杖を上げ、ナイル川の水を打った。すると、ナイル川の水はすべて血に変わった。
7:21 ナイル川の魚は死に、ナイル川は臭くなり、エジプト人はナイル川の水を飲めなくなった。エジプト全土にわたって血があった。
7:22 しかし、エジプトの呪法師たちも彼らの秘術を使って同じことをした。それで、ファラオの心は頑なになり、彼らの言うことを聞き入れなかった。【主】が言われたとおりであった。
7:23 ファラオは身を翻して自分の家に入り、このことにも心を向けなかった。
7:24 全エジプトは飲み水を求めて、ナイル川の周辺を掘った。ナイル川の水が飲めなかったからである。
7:25 【主】がナイル川を打たれてから七日が満ちた。
8:1 【主】はモーセに言われた。「ファラオのもとに行って言え。【主】はこう言われる。『わたしの民を去らせ、彼らがわたしに仕えるようにせよ。
8:2 もしあなたが去らせることを拒むなら、見よ、わたしはあなたの全領土を蛙によって打つ。
8:3 ナイル川には蛙が群がり、這い上がって来て、あなたの家に、寝室に入って、寝台に上り、またあなたの家臣の家に、あなたの民の中に、さらに、あなたのかまど、こね鉢に入り込む。
8:4 こうして蛙が、あなたと、あなたの民とすべての家臣の上に這い上がる。』」
8:5 【主】はモーセに言われた。「アロンに言え。『杖を持って、あなたの手を川の上、水路の上、池の上に伸ばせ。そして蛙をエジプトの地に這い上がらせよ』と。」
8:6 アロンが手をエジプトの水の上に伸ばすと、蛙が這い上がって、エジプトの地をおおった。
8:7 呪法師たちも彼らの秘術を使って、同じように行った。彼らは蛙をエジプトの地の上に這い上がらせた。
8:8 ファラオはモーセとアロンを呼び寄せて言った。「私と私の民のところから蛙を除くように、【主】に祈れ。そうすれば、私はこの民を去らせる。【主】にいけにえを献げるがよい。」
8:9 モーセはファラオに言った。「蛙があなたとあなたの家から断たれ、ナイル川だけに残るようにするため、私が、あなたと、あなたの家臣と民のために祈るので、いつがよいかを指示してください。」
8:10 ファラオが「明日」と言ったので、モーセは言った。「あなたのことばどおりになりますように。それは、あなたが、私たちの神、【主】のような方はほかにいないことを知るためです。
8:11 蛙は、あなたと、あなたの家、家臣、民から離れて、ナイル川だけに残るでしょう。」
8:12 こうしてモーセとアロンはファラオのもとから出て行った。モーセは、自分がファラオに約束した蛙のことで【主】に叫んだ。
8:13 【主】がモーセのことばどおりにされたので、蛙は家と庭と畑から死に絶えた。
8:14 人々はそれらを山のように積み上げたので、地は悪臭で満ちた。
8:15 ところが、ファラオは一息つけると思うと、心を硬くし、彼らの言うことを聞き入れなかった。【主】が言われたとおりであった。
8:16 【主】はモーセに言われた。「アロンに言え。『あなたの杖を伸ばして、地のちりを打て。そうすれば、ちりはエジプトの全土でブヨとなる』と。」
8:17 彼らはそのように行った。アロンは杖を持って手を伸ばし、地のちりを打った。すると、ブヨが人や家畜に付いた。地のちりはみな、エジプト全土でブヨとなった。
8:18 呪法師たちも、ブヨを出そうと彼らの秘術を使って同じようにしたが、できなかった。ブヨは人や家畜に付いた。
8:19 呪法師たちはファラオに「これは神の指です」と言った。しかし、ファラオの心は頑なになり、彼らの言うことを聞き入れなかった。【主】が言われたとおりであった。
8:20 【主】はモーセに言われた。「明日の朝早く、ファラオの前に出よ。見よ、彼は水辺に出て来る。彼にこう言え。【主】はこう言われる。『わたしの民を去らせ、彼らがわたしに仕えるようにせよ。
8:21 もしもわたしの民を去らせないなら、わたしは、あなたと、あなたの家臣と民、そしてあなたの家々にアブの群れを送る。エジプトの家々も、彼らのいる地面も、アブの群れで満ちる。
8:22 わたしはその日、わたしの民がとどまっているゴシェンの地を特別に扱い、そこにはアブの群れがいないようにする。こうしてあなたは、わたしがその地のただ中にあって【主】であることを知る。
8:23 わたしは、わたしの民をあなたの民と区別して、贖いをする。明日、このしるしが起こる。』」
8:24 【主】はそのようにされた。おびただしいアブの群れが、ファラオの家とその家臣の家に入って来た。エジプトの全土にわたり、地はアブの群れによって荒れ果てた。
8:25 ファラオはモーセとアロンを呼び寄せて言った。「さあ、この国の中でおまえたちの神にいけにえを献げよ。」
8:26 モーセは答えた。「それは、ふさわしいことではありません。なぜなら私たちは、私たちの神、【主】に、エジプト人の忌み嫌うものを、いけにえとして献げるからです。もし私たちがエジプト人の忌み嫌うものを、彼らの目の前でいけにえとして献げるなら、彼らは私たちを石で打ち殺しはしないでしょうか。
8:27 私たちは、主が私たちに言われたとおり、荒野へ三日の道のりを行って、私たちの神、【主】にいけにえを献げなければなりません。」
8:28 ファラオは言った。「では、おまえたちを去らせよう。おまえたちは荒野で、おまえたちの神、【主】にいけにえを献げるがよい。ただ、決して遠くへ行ってはならない。私のために祈ってくれ。」
8:29 モーセは言った。「今、私はあなたのもとから出て行き、【主】に祈ります。明日、アブが、ファラオとその家臣と民から離れます。ただ、ファラオは、民が【主】にいけにえを献げるために去ることを阻んで、再び欺くことなどありませんように。」
8:30 モーセはファラオのもとから出て行って、【主】に祈った。
8:31 【主】はモーセのことばどおりにされた。アブは一匹残らず、ファラオとその家臣、および民から離れた。
8:32 しかし、ファラオはまたも心を硬くし、民を去らせなかった。
9:1 【主】はモーセに言われた。「ファラオのところに行って、彼に言え。ヘブル人の神、【主】はこう言われる。『わたしの民を去らせ、彼らがわたしに仕えるようにせよ。
9:2 もしあなたが去らせることを拒み、なおも彼らをとどめておくなら、
9:3 見よ、【主】の手が、野にいるあなたの家畜、馬、ろば、らくだ、牛、羊の上に下り、非常に重い疫病が起こる。
9:4 しかし、【主】はイスラエルの家畜とエジプトの家畜を区別するので、イスラエルの子らの家畜は一頭も死なない。』」
9:5 また、【主】は時を定めて言われた。「明日、【主】がこの地でこのことを行う。」
9:6 【主】は翌日そのようにされた。エジプトの家畜はことごとく死んだが、イスラエルの子らの家畜は一頭も死ななかった。
9:7 ファラオは使いを送った。すると見よ、イスラエルの家畜は一頭も死んでいなかった。それでもファラオの心は硬く、民を去らせなかった。
9:8 【主】はモーセとアロンに言われた。「あなたがたは、かまどのすすを両手いっぱいに取れ。モーセはファラオの前で、それを天に向けてまき散らせ。
9:9 それはエジプト全土にわたって、ほこりとなり、エジプト全土で人と家畜に付き、うみの出る腫れものとなる。」
9:10 それで彼らは、かまどのすすを取ってファラオの前に立ち、モーセはそれを天に向けてまき散らした。すると、それは人と家畜に付き、うみの出る腫れものとなった。
9:11 呪法師たちは、腫れもののためにモーセの前に立てなかった。腫れものが呪法師たちとすべてのエジプト人にできたからである。
9:12 しかし、【主】はファラオの心を頑なにされたので、ファラオは二人の言うことを聞き入れなかった。【主】がモーセに言われたとおりであった。
9:13 【主】はモーセに言われた。「明日の朝早く、ファラオの前に立ち、彼に言え。ヘブル人の神、【主】はこう言われる。『わたしの民を去らせ、彼らがわたしに仕えるようにせよ。
9:14 今度、わたしは、あなた自身とあなたの家臣と民に、わたしのすべての災害を送る。わたしのような者が地のどこにもいないことを、あなたが知るようになるためである。
9:15 実に今でも、わたしが手を伸ばし、あなたとあなたの民を疫病で打つなら、あなたは地から消し去られる。
9:16 しかし、このことのために、わたしはあなたを立てておいた。わたしの力をあなたに示すため、そうして、わたしの名を全地に知らしめるためである。
9:17 あなたはなお、わたしの民に向かっておごり高ぶり、彼らを去らせようとしない。
9:18 見よ。明日の今ごろ、わたしは、国が始まってから今に至るまで、エジプトになかったような非常に激しい雹を降らせる。
9:19 さあ今、使いを送って、あなたの家畜と、野にいるあなたのすべてのものを避難させよ。野に残されて家に連れ戻されなかった人や家畜はみな、雹に打たれて死ぬ。』」
9:20 ファラオの家臣のうちで【主】のことばを恐れた者は、しもべたちと家畜を家に避難させた。
9:21 しかし、【主】のことばを心に留めなかった者は、しもべたちと家畜をそのまま野に残しておいた。
9:22 そこで【主】はモーセに言われた。「あなたの手を天に向けて伸ばせ。そうすれば、エジプト全土にわたって、人にも家畜にも、またエジプトの地のすべての野の草の上にも、雹が降る。」
9:23 モーセが杖を天に向けて伸ばすと、【主】は雷と雹を送ったので、火が地に向かって走った。こうして【主】はエジプトの地に雹を降らせた。
9:24 雹が降り、火が雹のただ中をひらめき渡った。それは、エジプトの地で国が始まって以来どこにもなかったような、きわめて激しいものであった。
9:25 雹はエジプト全土にわたって、人から家畜に至るまで、野にいるすべてのものを打った。またその雹は、あらゆる野の草も打った。野の木もことごとく打ち砕いた。
9:26 ただ、イスラエルの子らが住むゴシェンの地には、雹は降らなかった。
9:27 ファラオは人を遣わしてモーセとアロンを呼び寄せ、彼らに言った。「今度は私が間違っていた。【主】が正しく、私と私の民が悪かった。
9:28 【主】に祈ってくれ。神の雷と雹は、もうたくさんだ。私はおまえたちを去らせよう。おまえたちはもう、とどまっていてはならない。」
9:29 モーセは彼に言った。「私が町を出たら、すぐに【主】に向かって手を伸べ広げましょう。雷はやみ、雹はもう降らなくなります。この地が【主】のものであることをあなたが知るためです。
9:30 しかし、あなたとあなたの家臣はまだ、神である【主】を恐れていないことを、私はよく知っています。」
9:31 亜麻と大麦は打ち倒されていた。大麦は穂を出し、亜麻はつぼみをつけていたからである。
9:32 しかし、小麦と裸麦は打ち倒されていなかった。これらは実るのが遅いからである。
9:33 モーセはファラオのもとを去り、町を出て、【主】に向かって両手を伸べ広げた。すると雷と雹はやみ、雨はもう地に降らなくなった。
9:34 ファラオは雨と雹と雷がやんだのを見て、またも罪に身を任せ、彼とその家臣たちはその心を硬くした。
9:35 ファラオは心を頑なにし、イスラエルの子らを去らせなかった。【主】がモーセを通して言われたとおりであった。
10:1 【主】はモーセに言われた。「ファラオのところに行け。わたしは彼とその家臣たちの心を硬くした。それは、わたしが、これらのしるしを彼らの中で行うためである。
10:2 また、わたしがエジプトに対して力を働かせたあのこと、わたしが彼らの中で行ったしるしを、あなたが息子や孫に語って聞かせるためである。こうしてあなたがたは、わたしが【主】であることを知る。」
10:3 モーセとアロンはファラオのところに行き、彼に向かって言った。「ヘブル人の神、【主】はこう言われます。『いつまで、わたしの前に身を低くするのを拒むのか。わたしの民を去らせ、彼らがわたしに仕えるようにせよ。
10:4 もしあなたが、わたしの民を去らせることを拒むなら、見よ、わたしは明日、いなごをあなたの領土に送る。
10:5 いなごが地の面をおおい、地は見えなくなる。また、雹の害を免れてあなたがたに残されているものを食い尽くし、野に生えているあなたがたの木をみな食い尽くし、
10:6 あなたの家とすべての家臣の家、および全エジプトの家に満ちる。これは、あなたの先祖も、またその先祖も、彼らがこの土地にあった日から今日に至るまで、見たことがないものである。』」こうして彼は身を翻してファラオのもとから出て行った。
10:7 家臣たちはファラオに言った。「この男は、いつまで私たちを陥れるのでしょうか。この者たちを去らせ、彼らの神、【主】に仕えさせてください。エジプトが滅びるのが、まだお分かりにならないのですか。」
10:8 モーセとアロンはファラオのところに連れ戻された。ファラオは彼らに言った。「行け。おまえたちの神、【主】に仕えよ。だが、行くのはだれとだれか。」
10:9 モーセは答えた。「若い者も年寄りも一緒に行きます。息子たちも娘たちも、羊の群れも牛の群れも一緒に行きます。私たちは【主】の祭りをするのですから。」
10:10 ファラオは彼らに言った。「私がおまえたちとおまえたちの妻子を行かせるようなときには、【主】がおまえたちとともにあるように、とでも言おう。だが、見ろ。悪意がおまえたちの顔に表れている。
10:11 そうはさせない。さあ、壮年の男子だけが行って、【主】に仕えよ。それが、おまえたちが求めていることではないか。」こうして彼らはファラオの前から追い出された。
10:12 【主】はモーセに言われた。「あなたの手をエジプトの地の上に伸ばし、いなごの大群がエジプトの地を襲い、その国のあらゆる草木、雹の害を免れたすべてのものを食い尽くすようにせよ。」
10:13 モーセはエジプトの地の上に杖を伸ばした。【主】は終日終夜、その地の上に東風を吹かせた。朝になると東風がいなごの大群を運んで来た。
10:14 いなごの大群はエジプト全土を襲い、エジプト全域にとどまった。これは、かつてなく、この後もないほどおびただしいいなごの大群だった。
10:15 それらが全地の表面をおおったので、地は暗くなり、いなごは地の草と、雹の害を免れた木の実をすべて食い尽くした。エジプト全土で、木や野の草に少しの緑も残らなかった。
10:16 ファラオは急いでモーセとアロンを呼んで言った。「私は、おまえたちの神、【主】とおまえたちに対して過ちを犯した。
10:17 どうか今、もう一度だけ私の罪を見逃してくれ。おまえたちの神、【主】に、こんな死だけは取り去ってくれるよう祈ってくれ。」
10:18 モーセはファラオのところから出て、【主】に祈った。
10:19 すると【主】は風向きを変え、非常に強い、海からの風とされた。風はいなごを吹き上げ、葦の海に追いやった。エジプト全域に一匹のいなごも残らなかった。
10:20 しかし、【主】がファラオの心を頑なにされたので、彼はイスラエルの子らを去らせなかった。
10:21 【主】はモーセに言われた。「あなたの手を天に向けて伸ばし、闇がエジプトの地の上に降りて来て、闇にさわれるほどにせよ。」
10:22 モーセが天に向けて手を伸ばすと、エジプト全土は三日間、真っ暗闇となった。
10:23 人々は三日間、互いに見ることも、自分のいる場所から立つこともできなかった。しかし、イスラエルの子らのすべてには、住んでいる所に光があった。
10:24 ファラオはモーセを呼んで言った。「行け。【主】に仕えるがよい。ただ、おまえたちの羊と牛は残しておけ。妻子はおまえたちと一緒に行ってもよい。」
10:25 モーセは言った。「あなた自身が、いけにえと全焼のささげ物を直接私たちに下さって、私たちが、自分たちの神、【主】にいけにえを献げられるようにしなければなりません。
10:26 私たちの家畜も私たちと一緒に行きます。ひづめ一つ残すことはできません。私たちの神、【主】に仕えるために、家畜の中から選ばなければならないからです。しかも、あちらに着くまでは、どれをもって【主】に仕えるべきか分からないのです。」
10:27 しかし、【主】がファラオの心を頑なにされたので、ファラオは彼らを去らせようとはしなかった。
10:28 ファラオは彼に言った。「私のところから出て行け。私の顔を二度と見ないように気をつけろ。おまえが私の顔を見たら、その日に、おまえは死ななければならない。」
10:29 モーセは言った。「けっこうです。私はもう二度とあなたのお顔を見ることはありません。」